papi139のブログ

観劇メモとか忘れたくないこと。

◆2023年7月5日 〜クロードと一緒に〜(ソワレ観劇)

7月5日。

舞台の中で設定された日付がまさに今日。

こんな風に味わえるのは贅沢なことだなぁ。

 

今回で5回目の観劇になる。

舞台に限らず、複数回経験すると次どうなるとかある程度覚えてきて、だからこそ少し余裕をもって他に目がいくとか、今まで気付けなかった発見があるみたいなこともたくさんある気がするんだけど、今日はもういったん全部忘れて、余計なことを何も考えずに浴びたいと思った。

覚えていたい忘れたくないって思いが強すぎると、何かハッとした時にそこで一瞬止まってしまうというか、脳内で記憶保存ボタンを押しているような気がして、違うそういうことをしたいんじゃない!!みたいな感覚になって。よくわかんないんだけど……

特に最近普段の生活でも物忘れがめちゃくちゃ激しいという自覚があるので、余計に焦ってそうなってる気がする。意識的に覚えていたい忘れたくないと思わなくても、なんていうか、忘れられないことだけ覚えていられればいいんだよな……

そう考えるとオープニングの曲とか覚えようと思ってなくても自然とメロディを思い出せるし、それだけで泣きたくなる。たぶんそういうことなのかもな。

美しくて悲しい曲、とても素敵。2023年度版のサントラも欲しいよーー!

 

そんな心持で観劇した本日。

今日の彼は、なんていうか今まで見た中で1番フラットだった。

声のトーンもあまり抑揚を付けず、言葉が合っているか分からないんだけど、ドラマチックに演劇っぽく演じるというのを逆にやめていたような。
本当に36時間ずっと寝ずに尋問を受けていたのでは、と思えるほど声の張りもなく疲れすぎていて、昨日の休演日、ガチで丸々寝てないんじゃ?!って勘ぐってしまうほどだった。そりゃ36時間も寝てなかったらこういうテンションになるよな普通、と。

まだ彼の死を現実のものとして捉えられてないような。彼に電話をかけようと広場を彷徨ってるままみたいに自分の中だけで話すように。

子供のように感情が溢れるまま泣きじゃくっていた日のイーヴとはまた全然違った気がする。

こんなに変えてくるんです?????ってくらい違ったな……

悲しみさえもう彼との部屋に置いてきてしまったのか、それとも、刑事たちに理解してもらうのを放棄したのか。

なんだろう、今までの胸をかきむしるように吐き出してた独白というより、彼の独り言みたいな、夢と現実との間で寝言を言ってるみたいな、刑事たちに聞かせるためのものではなくて、なんかそんな感じに思えた。違う彼がいた。

そういえば、ふぉろわさんの感想を拝見してて思い出したんですけど、今日は刑事の演技もかなり変わっていた気がした。

一昨日までは終始かなり高圧的でがなって大声を張り上げるような感じだったけど、
今日は、彼と同じく36時間尋問し続けてもうほとほと疲れ果てて嫌気がさして大声出すのも疲れたような。

彼に顔を近付けて小馬鹿にして茶化すようなトーンが多めだった気がする…偶然かもだけど。

 

すごいな、同じ内容のはずなのに日によってこんなに違う。これぞ生の醍醐味!

 

あと、速記者の井澤さん、声のトーンとか台詞回しが外国映画の雰囲気(伝わって…!)みたいで、それがめちゃめちゃ素敵だなと思っている。

神尾さんの刑事とのやりとりとかも、ここは海外か!?ってくらいかっこいいんだよなぁ。いや実際舞台は海外なんだけど。ガチでモントリオールなんだけど。

なんかそれくらいリアリティがあるというか。あーーん絶望的に語彙がない!!

 

彼が途中退席した際に、刑事が奥さんに電話を掛けるシーン。

ここで敢えてそれを入れる意味ってなんだろうって考えてたんだけど、刑事にも刑事以外の顔があって、家庭があって、愛する人がいて、それは全部繋がっているようだけどそれぞれ別のものっていうイーヴの言葉と繋がってくるのかなぁとか。

どこで接点を持つかによって関係性がまったく変わってしまう。

「あんなに怒鳴り散らさなければ、キスをして散歩することだってできた」っていうのと同じなのかも。

あと、イーヴが、仕事で他人に体を許すこと、週5日山に行くこと、恋をすること、これは全部同列には考えられないと言ってるし分かってるけど、実際にクロードがイーヴが知らない顔を見せると、別のものだと割り切れない独占欲に変わるの、すごくわがままだけど人間て結局そうだよね…となる。

 

人間の業みたいなものがたくさん渦巻いている舞台だと思う。

すきだ。

 

 

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◆2023年7月4日 〜クロードと一緒に〜(休演日)

 

本日は休演日。

 

推し~~~~ちゃんとご飯食べたか~~~ゆっくり眠れたか~~~むしろもう寝てくれいい夢みてくれ~~~~!!!!!

 

さて、今作の物語の中で設定された日付は1967年7月5日。

明日がちょうどその7月5日で、今日が休演日なのも最高の演出すぎる。

過去の上演期間も何度か7月4日と5日にかけて設定されているようで、もうオタクそういうの大好きだよ…!

 

計算出来ない子なので最初うっかり今日の今頃事件が起きたと思ってしまったけど、7/5の午前10時の時点で36時間超えてるってことは、今はまさに取り調べ中という時刻で、実際に事件が起きたのは3日でもなくもっと前か…フェンスに座ってたし広場にも行ってるし。

※これやっと覚えられたんですが、事件が起きたのは7月1日の夜で、その二日後の7月3日の深夜に警察に電話した、という時間軸?そして今回7月1日が初日でしたよね…オオオォ

 

 

今日は、今までの公演の中で気になったこと、思い出したことなどメモメモ。

 

◆途中退場

刑事が取り調べの途中でトイレだと言って一度イーヴを退場させるけど、戻ってきた時にイーヴのタンクトップと髪が少し濡れていた気がした。

むしろこの時は別に行きたくなかったみたいだけど、さすがに顔くらい洗いたくなるよなぁと思ったり。洗った手をタンクトップで拭いたか、顔を洗った時に水がかかったのか。もしかしたら涙をふいたり汗なのかもしれないけど、警護官が舞台裏の暗がりでも警護をしているように、顔でも洗ってきた、みたいなリアリティを持たせているのかなぁとか。深読みしすぎか!

 

◆名前

イーヴは、刑事にクロードの名前を呼ばせることを激しく拒否していたし、自分の名前を言うことすら拒んでいた。イーヴ自身も舞台上でたった一度しかクロードの名を口にしない。ただ一度「彼と一緒。クロードと」というところだけ、唯一名前で呼ぶのさぁ……タイトル回収ほんとさぁ……

男娼だったイーヴは、所謂源氏名というか偽名みたいなものがあったのかな。

仕事をする時には特に名乗る必要もなかった?

最初は客であった男に本当の名前を明かして、お互いにその名を呼び合うことはイーヴにとって特別なことだったのかな、と想像してしまう。

そしてクロードはいったいどんな声で「イーヴ」と呼んだんだろう。

突然家にいるみたいな、って台詞があったと思うんだけど、タイトルにもあるようにクロードと一緒に家にいて、食事をして、温かいベッドで毛布にくるまれてふたりで眠りたいだけだったんだよなぁきっと……

逆に、彼が僕で僕が彼。兄弟。双子の片割れ。表と裏。

イーヴとクロードの関係について、違う名前で呼んでしまうと別々のものだという明確な線引きになってしまうから、その境界線を曖昧にしたくてあえて名前を呼ばない?とか思ったりも。「少年」ではなく「彼」と表記するのにも何か意味があるのかなぁ。

 

◆クロードの容姿

パンフのDVDで「クロードはどんな人物だったと思うか」みたいな質問に対して、凌さんが「たぶんごく普通のひとだったと思う」というような答えを返していたと思うんですけど、っはーーーーーーなるほどそうか…そう考えて演じていたのか…と。

美しい人、歯を見せて笑って、とても背が高いという描写から想像する、ザ・アメリカ人で金髪碧眼ハリウッドスターばりの誰が見てもカッコいい人ではなくて、ごくごく普通の人だけど、イーヴから見たら夜明け前の一番最初のひかりのように美しい人だった、ってことなのかぁと。

でもそれは、クロードからみたイーヴだってきっと同じだったと思うと泣けちゃう。イーヴがそうありたいと願わなくても、出会ったときから美しかったんだよ。夜の帳が落ちる頃、ちいさく輝く一番星のように。

 

◆すべて聞こえなくなる瞬間

「音が聞こえなくな…っ」って言葉が途中で途切れた瞬間、バツン!て無音になるのものすごくないですか……見ているこちらも一瞬で息の根を止められたみたいな感覚になるし、イーヴが一気に現実に引き戻された感じで、絶望するのが伝わってくる。

 

◆カーテンコール

毎回、こんな時どんな顔をして拍手していいのかわからないの…って気持ちで拍手してる。あああああなんてすごいものを見せてくれたんだ…!!!!!ってぶるぶる震えてるんだけど、自分自身あまりにこの物語にのめり込みすぎて、わー-!!みたいな拍手が出来てない気がする。どうしたらいいんだ……

なんかこう、もうあまりにすごすぎて、立ち上がって指笛拭いてまじで最高ブラボー36億!!!!くらいの超ハイパーブラボーなんだけど、なんだけど……

なんか今までに感じたことがない不思議な感覚なんだよな…拍手してる自分を上から眺めてるみたいな。

舞台にそっと花を手向ける、みたいな方がしっくりくるような気がしてるんだけど、だめだそれじゃ献花になっちゃう…

もしくは号泣しながら四つん這いで、もおぉぉぉどうしてくれるんだヨォオォォ!!!!!って床を叩き割りたい気持ち。

もうよくわからない。すごくつらい。つらいけど最高にすき。

 

いよいよ明日、7月5日がやってくる。

 

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◆2023年7月3日 〜クロードと一緒に〜(マチネ観劇)

4度目の観劇となる本日。相変わらず行くまでの道中は吐きそう。緊張で。

こんなにしんどい舞台なかなかないと思うんだけど、とにかく毎日ご飯がうまい。すごい食べちゃう見てるだけなのに。

もう10年以上、黒執事や進撃でしんどい耐性がある程度ついてるせいか、むりです!しんどい!つらい!もういやだおかわりください大盛で!!みたいな感じ。むしろめちゃくちゃ生きてるのを実感してる。

 

今日の席は正面のA列上手寄り。土曜日が下手側だったので、また違う角度から見られるのほんとにありがたい。

 

今日絶対忘れたくないと思ったのは、最後に「彼を、愛しています」と呟くシーン。

今まではテーブルに寄りかかって(座って)どちらかといえば穏やかな口調で言っていたと思うんだけど、今日は床に座って、ぎゅうっと膝を抱えて自分で自分を抱きしめるようにしていた。クロードに抱きしめてもらっていた時の腕の強さを必死に思い出そうとするかのようにも見えた。

その言葉を声に出すまで、かなりの間があって、どう言葉にしていいかわからないみたいに、どうしようもない感情の行き場をぶつけるように、自分の右手首をギリギリと噛んだ。歯形が残るくらいにつよく、つよく。(カテコでもまだ跡が赤く残っていた)

そうして絞り出すようにして「彼を、愛しています」と言って、微笑みながら泣いていた。まるで子供みたいだった。

それから、独白の台詞の途中で、我慢出来ずに思わず口を覆っても声が漏れてしまうような「うぅあぁぁ…!」という声は初めて聞いた気がする。

 

彼が首に手を添えて自分のことを愛してるって言ってた話をする時も、思わず声を震わせてしまうのを止められないって感じだった。

 

あと…これは個人の感想なのですが、

彼とのセックスを思い返しているシーンでは、本当にこのまま爆発してしまうのでは…と心配になるほど、下肢を弄りながら身をよじって喘ぎ、激しい息遣いと潤んだ目で彼へと手を伸ばして、縋り付いて、床を這いつくばって、もちろんこれは演技でリアルではないと分かっているんだけど、いまわたしは見てはいけないものをみているでも目が離せないみたいな、とにかくわけがわからなくなるくらいすごくてすごかったし、今日改めてR15の意味を知った気がした。すごかった、すごかったんですよほんとに……

 

なんでこの脳内の映像をそのまま永久保存できないんだ!!!!!!!!うわー--------!!!!!!

 

今日は動きもだいぶ違った気がする。テーブルの上に仰向けに寝転んだり、最後の方はほとんど床から起き上がらなかった。

はぁ…もう二度と今日を生きたイーヴには会えないんだな……こういうのがあるから生の舞台って何度でも見届けたくなってしまうのですよね……

 

そうそう「僕らはパンケーキみたいに転がった」ってすっごく素敵な言葉じゃないですか?

表と裏をひっくりかえす、というのを表現するのに、あまくて、やわらかくて、食べたらふわっと溶けてしまう幸せの象徴みたいなものに例えるって、うわーん切ない!!最高!!

あとあとみなさま仰ってますが「夜明け前の一番最初のひかり」

自分の愛しいひとを表現する言葉としてこれ以上のものをあたしゃ知らないよ……

 

今日は唯一お友達と一緒に観劇する日だったんですが、終わった後の第一声が

「びっくりするくらいマスクの中がビシャビシャなのでまずは鼻をかみたいです…」

だったのが最高だった。友よ!わたしも同じだよ!!

 

そしてグラニースミスで念願のアップルパイ。今日も最高に飯がうまい。

 

明日は休演日ですね。

どうかみなさまゆっくりやすめますように。

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◆2023年7月2日 〜クロードと一緒に〜(マチネ観劇)

昨日の雨模様が噓のように、眩しい太陽の日差しと美しい青空が広がる赤レンガ倉庫。

めちゃくちゃ暑かったけど、日陰のベンチに座ると海風が心地よくて、観光客で賑わう風景をぼんやり眺めたりした。ほんの5分くらいの時間、余計な事を考えずにいられたというかなんだかすごく贅沢な時間を過ごしている気分だった。

ふぉろわさんが赤レンガ倉庫や周辺の街並みを紹介して下さっていたのだけど、こんなに素敵なところだったなんて近いのに全然知らなかったから、今作がここで上演されたことで知るきっかけができてすごく嬉しい。

モントリオールもこんな雰囲気なんだろうか。いつか行ってみたい場所が増えたのもこの舞台のおかげだなぁ。ありがたいな。

 

 

本日はマチネのみ。いや、本当に1日1公演やるだけでも相当に大変な公演だと思うけど、3度も2回公演があるという…推しよ、どうか美味しいごはんをたくさん食べてあったかいベッドでいっぱい寝ておくれぇ……

 

席はRC列1番。上手側のサイドブロックで役者さんたちが出入りする真横の席。

横からというより半分裏側から眺める感じなので、位置が変わるだけで昨日の正面からとはまた全然違う印象になる。セットの裏側を見るなんてあまり出来ない体験だし、ここからしか知ることが出来ない表情があったりしてすごく良かった。

 

暗転ののち、ぼんやり灯る光の中、「彼」がすぐそこにいた。空虚を見つめる潤んだ瞳、かすかな呼吸音、ペタペタと歩く足音が生々しくて、急に鳥肌が立った。確かに生きている彼がいる、みたいな。

横を通り過ぎてしばし立ち止まったその背中が、とてもちいさく、いとけなかった。切ないよぉ……

これから起こる事を知っているから(というより彼がどういう気持ちでその扉まで歩いていくのかを今日は想像できるから)どうにも苦しくて開始5秒で泣いた。

もうねぇ昨日からすっかり情緒がおかしくなってるんだよ…ちょっとつつかれたらすぐ涙が出てしまう。

 

刑事とのやりとりの最中、昨日は横顔だったのが、今日の位置だと真正面から射抜かれるような視線を何度も浴びて(もちろん私を見ているわけではないのだけど)なぜか目を逸らしてはダメだ、と勝手に思っていた。

昨日正面から見れていたものが見えなくて、逆に見えなかったものがたくさん見えた。特にラストシーンで光の中に消えていく直前、その横顔がうっすらと笑ったように見えて、うぁぁぁと声を上げて泣きたくなったのを覚えてる。

彼と刑事が舞台上ででやりとりしている最中も、警護官のハルニさんがたまに舞台の周りを歩いたり、新聞を読んだりワインを飲んだりして、ずっとそこにいてまさに「警護」をしているんだけど、冒頭ではずっと扉の外でも警護していたことに驚いた。

照明も当たらない暗がりで、見える人はほとんどいないのでは?と思われる場所にも関わらず。リアリティ…!

あと、開場後早く席に着くと、警護官が客席を見渡しながら巡回してる姿を見ることができる。初日にふと横を見たらハルニさんがいてびっくりしたんだけど、既にそこは裁判所の中、なんですね。よき~~~~

速記者の井澤さんも、コーヒーを持って戻ってくる時に中で怒号が飛び交う状況を聞いて、ちょっと一服してくか…と警護官とふたり煙草をくゆらせたり。

本番中、正面の客席で固唾を飲んで見守ってる人達が、まるで応接間に集まる大勢のマスコミように見えてうわぁとなったり。サイド席、おもしろ…!

 

今日のイーヴは、心の中にある嵐を必死に絞り出すように、まるで腹の中にある贓物ごと嘔吐するのではないかと思うような叫び方に見えた。

刑事と彼の激しい掛け合いも、バチって音がするような感覚が何度もあって。言葉同士のタイミングが完璧に合ってるというか、ガッとお互いの喉元を同時に噛み合うみたいな、変な言い方だけど思わず膝を打ちたくなるような感じ。

感情が昂って舞台から飛び降りてまた戻る時、縁に足先がひっかかって転びかけた(すごい痛そうな音がした)けど、それすら演技?と思わせる迫力があった。すごいや。

 

サイド席だったせいか、今日は彼の背中がとても印象的だった。

ちいさくて、さびしそうで、時に燃えるようだった。

 

それから、ものすごー-く今更なんですが、パンフレットのと舞台上のイーヴのビジュアルがなんであんなにも違うのか、まるで別人のようなのか、今まであまり深く考えてなかったということに気付いて。

むしろ一番最初に作品を知ったときに、あれ?なんでだ??となった気がするんだけど、なんかふんわり受け止めていた(ていうか松田凌がきれいすぎるのが悪いと思うんですよね、もうあの美しさでIQ下がっちゃうんだよ…)

これは勝手な解釈なので全然違うかもしれないんだけど、あの少し髪が長くて美しい姿は、クロードと過ごす中で「僕自身も美しいのだと思えた」というイーヴが思い描いた「美しい自分の姿」ってことなのかもって。

だから、舞台上の(現実の)姿とは敢えてイメージを変えていたのかな……

もし、クロードから見た自分がこんな風に見えていたらいいのに、っていうイーヴの願望だとしたら、こんな、こんな切ないことってあります……??

いや、わかんない、ほんとに髪切っただけかもだけど…もう何もわからんが松田凌が美しいという真実だけはわかる…

 

あと一回だけR列側から観るチャンスがあって、今度はもう少し正面寄りなのでまた違った景色が広がりそう。楽しみだな~~~~

今回ありがたいことに配信がありますが、正面・L・Rからのが見たい。全部買います。

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◆2023年7月1日 〜クロードと一緒に〜(マチソワ観劇)

絶対に忘れたくないと思う舞台に出会ったので思ったまま書く。

【Being at home with Claude〜クロードと一緒に2023〜】 観劇メモ。

 

わたしは松田凌という俳優に出会ってまだ半年足らずだけれど、その後の出演作を観たり過去作を調べたりしている中で、ご本人が過去3度も演じ「自身の代表作」 というほどのこの「クロードと一緒に」という舞台があったと知った時、内容もあらすじくらいしか分からないのに、猛烈に観たい、観たすぎる…!と強く思った。これは絶対に好きな作品だ!!という勝手な確信があった。

 

でもさすがに4度目となると、もう生で観ることは叶わないのかな… と諦めかけていたこのタイミングで再び上演されることになり、こんな奇跡ってある?!

そしてトドメのあのメインビジュアルですよ……もはや一目惚れ。一瞬でもうダメだと、抗えないと思った。これは行かねばならぬ、なんとしても。

2019年の公演パンフレットだけ購入し、他の情報は極力入れないで見ようと決めた。

最初に確信した予感と共に、絶対に見届けたい、その瞬間を逃したくない、と必死でチケットを取り、気付いたら横浜公演の全公演分のチケットが手元にあった。

気に入った舞台は行ける限り何度も行くタイプだけど、さすがに観る前から全公演分のチケットを取ったのは人生初だったし、夏のボーナスは全て消えた。悔いなき選択。

 

大雨の中、緊張で吐きそうになりながら赤レンガ倉庫を目指す。
何日か前に見た夢では、劇場まで全然辿り着けなかったりなぜか途中で焼肉焼 いたりチケットも全部無くしたりと散々だったので、 実際に劇場のある赤レンガ倉庫を目の前にしただけで既に感無量。本当に素敵な場所で、 舞台を観る前から世界感を感じる事が出来てテンションが上がりまくる。

 

しかし今回のギフティング企画最高だったな…

差し入れとして推しの栄養になれて、自分の名前が上演期間中劇場に飾られて、陰ながら応援できて、しかもそのネームプレートを持ち帰れるっていう最高のプレゼント付き。

あの布とお花までケースに閉じ込めてくれて、過去作のチラシとかむしろ返礼品の方が何倍も豪華すぎて本当に感動した。感謝しかないです、ありがとうございます…!

 

ロビーに入って早々ビッグサプラーーイズ!
モントリオール行ってたんかーーい!!!
しかも原作者にお礼を伝えに&聖地巡礼
ひゃーー素敵だ!!
もしかして今回公演前にモントリオールに行ったりするのかな?と思ってはいたけど、 スケジュールギチギチそうだったし、 そんなこと全く匂わせないし…
季節的に春先だったのかなぁ。
モントリオールで撮影した写真集はこの秋発売予定でしかも50分の映像付き!ブラボー!! 流れるように申し込み。

 

物販で過去作も含めてしっかり購入し、 両手いっぱいに推しを抱えて席に着く。

 

わーーー!!なんて素敵な空間…!変形舞台だ!はじめてだ!
舞台の周りにはカナダやモントリオールのちいさな旗、たくさんの本が重なり、燭台、可愛らしいぬいぐるみ、 額縁など散りばめられていて
その中に仲良くベッドに並んで眠っているちいさなくまのぬいぐるみがあった。
(マチネ終演後にそれを見つけて号泣する羽目になる)


ここから先思いっきり内容に関するネタバレ。まだ全然物語の内容を理解出来てるわけではなくて、感覚で思ったことだけ。

 

 

 

 


髪型は黒のショート。(過去作は金髪)
グレーのタンクトップにジーンズ。 踵を踏み潰した汚れたスニーカー。
タトゥーは、右の首筋、左の鎖骨下、左の二の腕の内側、 タンクトップからギリギリ覗く右前鋸筋あたりに見えたと思う。
首筋は以前の蝶では無かった気がする…蔦のような、花かも?

 

静寂の中始まった舞台は信じられないくらい台詞量が膨大で、ピンと張った糸がビリビリと震えるような感覚がずっと続く感じ。
特に後半は瞬き忘れるしとにかく身動きできないというか、音を立てたら終わり、みたいな緊張感があるけど、とにかく彼(イーヴ)の独白に圧倒される。


すごく印象的だったのは、
「クロード」という名前すら、 自分だけの宝物のように大切に抱えてた。
強く強く、決して誰にも渡さないというように。
それを自分以外が口にすることも許せないのか、刑事が名前を呼んだ時も足で床を蹴って掻き消そうとしていた。
(今後、気軽にクロードが~と言うのを躊躇ってしまうね…)

 

自分が彼を殺したと自首してきたのに
殺した後に彼に電話をかけ、彼に会わなくてはならないと思った、 彼を探していた、と必死に繰り返す。
広場の雑踏の中にいて他はまるで何も変わらないのに、 自分も彼を探していたはずなのに。
一瞬すべての音が頭の中の映像が消えた、全部、何もかも。そして訪れる静寂。
(今日のソワレ、ここのセリフの間が最っっっ高だった…)

 

彼への愛をうたうイーヴは、 こぼれる涙を拭いもせずに全身で叫んでた。
ささやかな想い出を大切になぞるように、 今まで知らなかったあたたかさに触れ、彼という唯一無二の魂の片割れに抱かれて、 自分がどれほど幸福だったかを。

 

彼と出会った時、彼の事を「美しいひと」 と表現していたのもとてもいいな……
見た目だけじゃなくて、 なんて美しいんだろうって純粋に思ったんだろうなって。損得勘定も見返りもなにも求めず、ただただ愛おしいと思える相手に出逢えるって、何にも代え難いしあわせだと思う。

クロードが全く同じ感情だったのかは分からない。もともとの育ちも環境も価値観も違ったわけで。

でもイーヴの生き方を否定しなかった。それだけでじゅうぶんだったんじゃないかな。

 

なんかさ~~ イーヴが彼とのベッドでの本のやりとりを聞かせてくれてるときも、彼を殺した後の情景も、全部そこに「美しいひと」 の姿が輪郭を以って存在してたんですよね……


オタクだから普段から妄想力鍛えられてるけど、 そうじゃなくて本当にいるみたいに見えてくるんだよ。リアルに2人が過ごしていたあたたかさや営みや熱を感じるというか。

 

愛とはなにか、みたいな壮大な話ではなく
ただひたすらに愛おしい存在を抱きしめていたかったんだろうなぁ って。
「彼を、愛しています」 と掠れた声で呟く姿にもう泣けて泣けて仕方なかった。

 

もしかしたら彼がイーヴに今この瞬間に殺してくれと頼んだのかも しれないけど、きっとイーヴだってそうして欲しかったのだと思う。でも、彼がそうして欲しいと思っているのが分かったから、彼の望みを叶えてやりたくて、この瞬間を誰にも汚されたくなくてナイフを手にしたのかな……

 

もうね、 またしてもここでゲンシヨネヅのLemonが登場してくるんですよ…あのLemonまじでどこにでもピタリ賞キメてくるほんとに。5億点。

 

夢ならばどれほどよかったでしょう……

はぁ…たまんないな…

 

あと今回のメインビジュアル、
あの青い花は彼の血であったのかと思うとますます最高すぎますね。
彼の全身に余すことなくキスをして、彼の傷口にも。あの愛おしさが溢れる表情は、まさに彼の血を飲んでいる瞬間なのだなぁ。

人生で最高のシャワーだった、と涙をこぼしていた意味を知り、初めてあのビジュアルを見た時に、うっわ色っぺ〜〜〜!!!!と邪な目で見ていた自分を殴りたくなった。

 

生きてるうちにこの舞台を目の前で体験できたこと、今日感じた衝動、熱、溢れる想い、叫び出したくなるような感覚、全部今日しか味わえなかったもの。なんたる奇跡。

大袈裟かもしれないけど、本当にそう思った。

ひとつひとつが重なって、どれが欠けても実現しなかった瞬間だった。

最高だ!!!

 

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