papi139のブログ

観劇メモとか忘れたくないこと。

◆2023年7月21日 〜クロードと一緒に〜(京都)

もともと京都公演は土日のみチケットを取っていたんだけど、21日に入っていたどうしても外せない打ち合わせが奇跡的にリスケになった瞬間、わたしの脳内で「そうだ、京都行こう」ってCMが高らかに流れた。

ありがたいことにチケットにもご縁をいただけたので、光の速さで新幹線とホテルを取り直しいざ京都へ!

京都公演にあたり、主催側から事前の注意喚起(公演中でも水分を取ってください、といった熱中症対策など)が繰り返しアナウンスされており、確かに京都の夏はヤバい暑さ&今回の会場は歴史的な建造物だから空調が効きにくいのかな?本番中に倒れる訳にはゆかぬ…!という、事前の心構えと対策を講じて挑むことができたのでとてもありがたかったな。

(その後初日参戦のみなさまのレポにより、館内の空調もきちんと効いていて観劇には全く問題なかったと聞けてホッとしました)

実際に京都文化博物館(別館)を訪れてみると、入り口入ってすぐ、客席は見えないけど建物の雰囲気は十分分かるようになっていて(セットの扉もすこし見える)こんなに素敵な場所であの舞台が観られるなんて…!!とめちゃくちゃ感動した。

古い建物特有の匂いと、空気が甘やか?なんかまろやかに感じるのたまんないな。深呼吸するとすごく気持ちいい〜四方のバルコニーに照明が仕込んであるのが見えた。天井にはまったく吊れない構造だから本番はどうなるんだろう……と思いを巡らせつつ写真たくさん撮りました。こんな貴重な経験なかなか出来ない。幸せ。

今日は整理番号120番台で下手側に座ろうと決めて入ったら、既に舞台奥寄りが若干空いてるだけの状態だったので最後列に着席。結果最高に良かったです!1番後ろだけ一段高く作られてて視界がクリアになるのも◎

 

今日1番の衝撃は、終盤イーヴが投げつけたジャケットが机から滑って床まで飛んでいってしまったんだけど、信じがたいことにそれが落ちた時に両手を広げているような形になっていて、まるでクロードが横たわっているみたいに、ほんとうにそこに現れたみたいになって、もう足の先からゾワーーーって鳥肌たった…こんなことある…??

いままでは何もない床を見つめてそこにクロードがいるかのように演じていたんだけど、今日はまるでそういう演出かと思うような出来事で、なんか降りてきたのかと思った。

availableと刺繍の入った、きっと皮肉や蔑みをたくさん浴びてくたびれて重くなっていたであろうイーヴのジャケット。

それが、両腕を大きく広げて微笑みをたたえ、イーヴを抱きしめながら死んでいったクロードと重なるなんて、なんかもう、叫び出したくなるよ……

そのジャケットの上に寝そべり、やさしくやさしくクロードの瞳を閉じたイーヴ。表情は見えなかったけど、その指先から伝わる愛おしさを感じてうわーーって泣けてしまった。

もうこの瞬間を観るためだけに来て良かったと思った。こんなこと起こるんですね。すごいなぁ…

 

今日は、刑事や速記者に対してだけじゃなく傍観している人々に対して(我々に向けて)怒りをぶちまけているような、会場が狭いせいもあってイーヴの叫びを直接投げつけられているみたいだった。

まるで直接胸ぐらを掴まれて目の前で叫ばれてるみたいに感じるほどで、舞台上からの圧に息が浅くなって瞬き出来なくなってしまった。

以前の公演で、船の汽笛の音に「うるせえ!!」って台詞ではなく叫んだというお話を聞いたけど(ハルニさんのインタビュー)もしかして今日も何か物音が聞こえたらそんな風になったのかもしれない。

あと汗がめちゃくちゃすごかった。横浜はあそこまで汗をかいてなかったと思うんだけど、もう顔も首筋もダラダラ流れ落ちる程で、汗か涙が鼻水かわかんないくらい。生々しい熱量…!!最高!!

今回初めての下手側からの観劇だったから、当たり前だけど初めて見る表情ばっかり!横顔しか知らなかったり、あの時こんな顔してたの…!を真正面からたくさん浴びて、なんだか初演を観てるような気持ちになった。

明かりの付いた家を見ながら昔を思い出すシーンで一気に幼くなる表情、美しい人を見つけた時の目の輝き、電気をつけたまま〜の照れて笑いながら目線を外す瞬間、彼は僕の首に手を回して…の彼をじっと見つめる切ない目、僕たちは30分くらいキスをしたって言って目を閉じて思い出してる時の甘やかさ、血を飲んでる時の足の裏その足の指先にまで感じる艶かしさ、それから…それから……お尻……お尻がね……もうね……

そしてやっぱり躍動する前鋸筋ですよ…大好きだ…前鋸筋にこんなに萌える日が来るとは思わなかった。タンクトップ優勝です。

そして今日も、どんな顔してるのかまで想像できてしまうような雄弁な背中だったな。

やーーーーこれは上手も下手も正面も全部捨て難いなぁああああみんな違ってみんないい!変形舞台ってなんて贅沢なんでしょう。

それから「彼が僕で僕が彼、あーーわかんないでもそれが真実!」ってときちょうど目線の高さが合ってて、もうほんっっとにキラキラした目で訴えかけてくるから心の中で5億回頷くことしかできなかった……ワワワワワカルゥ✖️5億

 

京都公演初日、反響音がすごくて台詞が全く聞き取れなかったというレポをかなり多く見かけていたので、そんなにも…!と少し心配していたんだけど、わたしの体感としては確かに横浜に比べると音が反響して広がってしまうというか、特に背中を向けて喋ってる場合顕著だったけど、許容範囲ではあったかなと。

(わたしは複数回観ていてある程度物語の流れや台詞を認識している状態なので、仮に聞こえにくくても自分で補完できてしまうからそこまで気にならなかった、というのもあると思う)

ただ、反響音がなかった横浜初日でもこれだけの熱量の会話劇を見たことがなかったせいもあって、正直聞き取れない(これは自分の耳がついていかないという意味で)ところも多かった。
畳み掛けるようなやりとりが続くので一語一句分かったかといえば全然そうではなかったし、台詞を聞き取るというよりも、もはや舞台から発せられる熱をひたすらに浴びて気付いたらその世界に引き込まれてビシャビシャになっていたというか、とにかくなんかすごいものを観た…!!という感覚が強かったなぁということを思い出しました。

事前に演者も含めて下見までした上でここでやろうと決めたのにはきっと強い思いがあるのだろうし、通常の舞台のようにはいかないことはもちろん最初から分かっているわけで、それでもチャレンジしてみよう!という気概が素敵すぎる。

ふぉろわさんにシェアいただいた情報によると、可能な限りの反響対策は施した上での公演とのことなので、この会場でしか味わえない楽しみ方をしたいなと感じました。

建築の美しさ、重厚さがまるごと舞台装置の一部のようで、あの場所だからこそ、始まる前の静寂を肌で感じたし、みんなジリジリと息を潜めて待っているあの感じ、たまらなかったなぁ。
赤レンガ倉庫もすごく良かったけど、京都の天井の高さ、真っ白な壁と濡れたような艶のある木のコントラストが美しいこの場所ならではの没入感がすごかった。

壁面が広いので、影の演出も飲み込まれるような感覚になって更に良かったなぁって。

空調も、暑すぎず寒すぎずでちょうど良かった。ただこれは座る場所によるみたいですね。でも座っててちょうどよい=舞台上で動いてたらめっちゃ暑かっただろうなと思う(凌さんの汗の量のすごさよ…)

 

物販や入場の列形成から誘導など、普段の劇場とは違うあの限られたスペースの中で本当に良く考えられていて、全てスムーズに進み、なんのストレスも感じることなく舞台を楽しめたのはスタッフのみなさまのおかげだなぁとしみじみ思いました。

今日も暑い中たくさんいらっしゃって、本当に感謝しかないです。ありがとうございました!!

 

残りあと2日かぁ……

どうか無事最後まで生き抜けますように。

 

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