papi139のブログ

観劇メモとか忘れたくないこと。

◆2023年7月9日 〜クロードと一緒に〜(横浜公演楽日)

ついにこの日が来てしまった。

手元にあった横浜公演のチケットも、ラスト1枚に。さびし………

今日は14時からだからもっと遅くていいのに、朝からソワソワしちゃって早めに出発。家を出た時は穏やかに晴れてたはずが、馬車道に着いたらなぜか雨降ってるし折りたたみ傘が裏返るほど風強いしでさすが推し。恵みの雨だ。

そういえば、Twitterにタグ付きで書くコメントってちょっと緊張しませんか…!でも進撃ミュでご教示いただいたことはしっかり実行していかねばと思うので!

「#クロードと一緒に 横浜公演千秋楽おめでとうございます。
瞬きする間も惜しいほど、こんなにも心を揺さぶられる舞台に出会えて本当に幸せです。毎公演ひとつとして同じ瞬間はなく、その日を生きる熱を胸に焼き付けた日々でした。どうか今日も無事に幕が上がりますように!」

 

今日は最後なので、廊下に飾られているパネルやモントリオールの風景写真もひとつひとつ眺めつつ、あの長い廊下をゆっくり歩いた。うーんもう泣きそう。

半年前に進撃ミュで初めて松田凌に出会って、このタイミングでクロードと一緒にの再演があり、チケットにもご縁をいただき今ここにいることが出来ている。ちょっとでも時期がズレていたら、再演が今年じゃなかったら、そもそも彼に出会わなければ、そっちの可能性だって十分にあった。これってものすごい奇跡なんだと思う。

 

横浜公演楽日、観劇。

 

今日一番息を呑んでしまったのは、最後にイーヴが部屋を出ていったあと、床に投げ捨てられてまるでゴミみたいになっていたイーヴのくたびれたジャケットを、ギィが自ら拾って、丁寧に椅子の背にかけていたところかもしれない。

昨日からイーヴの靴を揃えるようになってそれも相当グッと来ていたのだけど、あのまま忘れ去られてもおかしくないあのジャケットを、ちゃんと拾い上げてくれた。それだけでイーヴの尊厳が守られたような気がして、どうしようもなく泣けた。

井澤さんが演じるギィの事、もっと知りたくなってしまったな。

 

刑事役の神尾さん、あれだけ大声で怒鳴って叫んでイーヴをこれでもかと蔑みまくって、うちのイーヴにナンテコトスンノヨー!!!(ガールフレンドの声真似毎回好きだった)って思うところだけど、全然嫌いにはなれなかったな。なんか一番人間くさかったし、今まで見てきた少年たちの事を思い出して冷や汗をかいて夜中に起きるような、目が溶けるくらい泣きたくなる事もあるような人でもあった。

お前みたいなやつを二度と見たくないっていうのも、もうこんな事をしてほしくないって気持ちも多少はあったのかなぁとか。

毎回言い回しのニュアンスが細かく違って、超イラッとすることもあれば観ているこちらが本気でビクッとなるような怖さもあり、そうかと思えば妻との電話の最中にはふと普段の笑顔を見せたり。

何よりもあのイーヴと対等にやりあえる迫力と説得力。惚れてまうやろ……

 

警護官役のハルニさん、感情を出すことも動きを大胆に変えることも出来ない、ただ淡々とそこにいて、客席と舞台の間を揺蕩う人。彼がそこにいることで、客席と舞台の境界線を曖昧にしてくれる存在なのかも。

あと、開演前のアナウンスの声がすっごい可愛くて(少年のようで)最初は警護官のビジュアルと結びつかなくてちょっと混乱した(笑)

クロード初演から皆勤賞で出演されていると知り、ハルニさんだからこその視点でのお話しを伺ってみたいなぁと思いました。過去作のパンフとかで拝見出来るのかな、楽しみだな~!

 

そして我が推し、松田凌さん。

…こ、これが、これがあの「言葉にすると陳腐になってしまうので(by松田凌)」のきもちなの……!?!?

いまこの時に、凌さんが演じるイーヴの生き様を見届ける事が出来て本当にしあわせです。京都公演も、美味しいごはんをたくさん食べてたくさん寝て健康第一でいてほしいです(作文)

 

なんだか今日のイーヴ、めちゃくちゃ若返ってたというか幼さを感じた気がした。刑事に違う!!って叫ぶところも、違うよ!!ってなってたり。たまたまかもだけど。

あと、最後の「だって……腐っちゃうって」の言い方が、いままでで一番切なかった。絞り出すようにやっと言えたけど、完全に泣き出す前の子供のように震えて掠れてしまって。ほんとならそんなこと、一番言葉にしたくなかっただろうに。

ケツの穴でしか人と関われなかった、のところも、いつもだと叫んでいる事が多かったように思うけど、今日はとても悲しそうだった。しょうがないだろ!というより、なんで?っていう。

あと、ずっとクロードを見ようとして、できるだけ瞬きしないように目を見開いていたように思えてならなかった。涙がこぼれ落ちないように必死で我慢してるみたいだった。その必死さがいとけなかった。

 

そういえばどうなんだろうとずっと思ってることがあって、クロードの喉を切り裂いたり時「痛くしちゃったかなって一瞬怖くなったけど、たぶん痛くなかったはずだ」の後ちいさく頷いて「…うん」て言ってると思うんだけど、最初は自分自身に対する確認みたいな、うんそうだ大丈夫だったはずだ、というニュアンスかと思っていたけど、イーヴの中にいるクロードが「うん(痛くなかったよ)」と言っている(と感じてる)という捉え方もできるのか??って。

クロードの血を飲んだのは、イーヴにとってとても自然なことだったんだろうな。喉を裂いたのと同じように頭で考えてやったわけではなくて、そうするのが必然であったというか…

 

初日の日記に、わざわざ役名を『彼』としているのはなぜだろう、と書いたんだけど、イーヴの中にあるクロードのことでもあるのかなぁ。劇中でもクロードの事を(特別だと感じてからは)ずっと『彼』と言っているので。

 

観劇後は、自分自身もっと感傷的になるのかなと思っていた。泣いて泣いて立てないとかなってしまうかなって。

でも、マスクの中は涙と鼻水でぐしゃぐしゃだけど、最後のカーテンコールで出てくるまで待ちきれずにバッと立ち上がって思いっきり拍手していた自分に少し驚いたし(そもそもスタオベってなんとなく周りの様子を伺ってしまうところがあったから)なんだかめちゃくちゃ清々しい気持ちだったんですよね。

本当に毎回すごいものを観させていただいた、何もかもが素晴らしかった、最高の時間をありがとうございました!!って拍手でちゃんと伝えたかった。

そして、カーテンコールはいつも通りで(特に挨拶なども無く)幕を下ろした。それがなおのこと良かったな。

客席から廊下に出て名札を回収してたら容赦なく大道具をバラす音がガンガン響いていて、もちろんスケジュールあるから仕方無いことなんだけどあとちょっとだけ待ってぇ…!!と少し笑ってしまった。

でもだからこそあの瞬間にしか味わえない、そこにしかない最高の空間なのですよね、きっと。ふぉろわさんが仰っていたのだけど、まさに『ギフト』なんだなぁと。

舞台って、お芝居ってなんて儚くて素晴らしいのでしょう。

やーーわたし、こんなにも忘れられない鮮烈な舞台を知ってしまって、この先の大丈夫なのかな。

 

そうそう、イーヴの鎖骨のタトゥー、見間違いかもしれないけど百合の花のように見えた。

帰り道のいつもの公園にひっそりと咲いていたので思わず写真を撮りました。

百合の花言葉はたくさんあるけど、availableと同じで自虐的な意味というか、男娼だけど「純潔」ってなに言ってんのって笑っていいよ、って感じなのかな。

でも一方で「誇り」という意味もあるので、イーヴの中だけでわかっていればいいこととして、それも込められているのかなぁと思ったりしたのでした。

 

2023年7月1日~7月9日 

横浜公演、無事終幕。本当にお疲れ様でした!!

 

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