papi139のブログ

観劇メモとか忘れたくないこと。

◆2023年7月23日 〜クロードと一緒に〜(京都)&配信ありがとうございました!

7/23 京都の大千秋楽からあっという間に月日が過ぎて、今夜ついに配信も終了してしまった……いやだよクロード星を渡らないで……

千秋楽が終わった後いつも通りこの日の日記を書こうと思ったのに、終幕後も帰り道でもなんだか全然言葉が出て来なくて、あと書いたらほんとにあの執務室の扉を閉めなければならないような気がして、ずっと書けなかった。

次の日仕事だから終わってすぐ帰らなきゃいけなくて、でもやっぱり観劇後は変わらずめちゃくちゃお腹が減ってたから京都駅で急いでお弁当買って新幹線飛び乗って、思い出し泣きしながらお弁当食べてた。食べるのも泣くのもやめられない今日観れて本当に良かったごはん美味しいよぉおって。

その日の自分のツイート見返すと、「はーーーーーーーー色んなもので満たされて最高の気分」「最後に拍手しすぎて指を負傷しました」くらいしか書いてない。

なんかねぇもう本当に、言葉にならないくらい素晴らしかったんだ……こころのずっと奥の方に刻まれてしまった。

 

千秋楽から数日後にアーカイブ配信が始まって、個人的にあの日の記憶というか、あの時見た景色とか熱とか空気が震える感覚とか何度も何度もこころの中でずーーっと反芻し続けていたから、配信を見たら何か変わってしまうかなとか、終わりを実感しちゃうのかなとか思ったりもしたんだけど、全然そんなことはなかった。

観ていた画角が違うせいもあって、ある意味別物のような、でも確かにあの日の舞台だと感じる不思議な感覚だった。

部屋を真っ暗にして1人で見た。もう舞台の幕は降りたはずなのに、わたしの中ではまだ終わってないような、なんか不思議な気持ちになってしまったなぁ。

でも、やっぱり思い起こされるのは自分が観た下手側からの情景で、その時の息遣いとか舞台から伝わってくる熱とか、今でもずっと覚えてる。

こんな事を言うのはとてもおこがましいけれど、以前凌さんが言っていた「肌で思い出す」っていう感覚のように、またこの夏を思い返した時にそう感じられたらいいなと思う。

 

「僕は、薬でラリッてた訳じゃない。もっと悪い。……僕は、愛していたんだ」って言った瞬間ボロボロって零れ落ちた涙の眩さ。

「僕はこの時人生で初めて、誰かと愛し合ったんだと思う」って言ってる時のイーヴの目に灯るあたたかい光。

それからそっと目を閉じて、両手を握って頬にあてて、クロードとの愛おしい時間を抱きしめるみたいにして、笑顔なのか泣き顔なのか、もうなんとも言えない表情。

イーヴの苦しみ、苛立ち、哀しみ、そしてどこまでも深くて溺れそうなクロードへの愛。

理解しなくていい、でも分かって欲しいって、刑事や速記者に対してだけじゃなく客席の一人一人に訴えかけているように感じて、一瞬たりとも目が離せなかった。

 

松田凌が演じるイーヴ、ほんとにほんとに愛おしいしもはや愛おしすぎて苦しい……

「彼は喉を押さえていられなかった。だって僕を抱きしめていたから」って台詞がとてもすきなんだけど、千秋楽の時のイーヴの声の揺らぎ、もうどうしようもなく溢れる想いが伝わってきて、あの日観た時もブワッって鳥肌が立って涙がダバダバ出てしまったんだけど、配信で何度見てもうわーーーって泣いてしまう。

その場ではもちろん声は出せないし、基本鼻水啜る音とかも立てたくないから毎回流れるまま放置してマスクの中が大洪水になるんだけど、配信の良いところは周りを気にせず大声で泣けるところだなって今更ながらに気付いた。

もうなんにも遠慮せず、今まで観てきた横浜から京都の分全部吐き出すくらいめちゃくちゃに泣いた。うわーーーって声上げて泣くなんて何年ぶり?ってくらい泣いた。

何でこんなにも泣きたくなるんだろう。分かんない。でも色んな感情が溢れてきてどうしようもなくなる。クロードに感情移入してるのか、イーヴお願いだから泣かないでよって思いながらめちゃくちゃに泣いてしまうんだよな…

 

今回お盆休みにかけて配信期間を設けてくださっていたのも本当にありがたかったな。

まだまだこの作品の世界を味わいたくて、何度も配信を観ながら少しずつ台詞を写経してたんだけど、耳で聞くのと文字で読むのとまた全然違うというか、言葉をひとつひとつなぞると、イーヴのこころに少しだけ寄り添えるような気がして(※もちろん個人でひっそり楽しむだけのためにやっております)

1回(48時間)じゃとても間に合わなかったから何度か購入したけど、それもついに今夜で本当にお別れになってしまった。

 

でも、いつかのTLで「この作品は、観た人が自分の言葉で語り継いでいく物語だと思う」という事を仰っている方がいて、ほんとうにそうだなぁって。わたしも円盤化して欲しいってずっと思ってたけど、形に残らないからこそ、その場で観て感じたことや受け取った想いをそれぞれ自分の中で大切に抱えていくって、すごく素敵じゃないですか。

 

2023年のパンフ(DVD)のインタビューで「イーヴのクロードへの愛をどのように感じますか」という質問に対しての凌さんの答えもそれに近しいような気がして。

「みなさまが今作を観ていただいて感じたもの、みなさまの心の中に残っていたものはきっと様々あると思うけれど、それがおそらく答えで。僕が今『クロードへの愛はこうだと思います』っていうものを言葉で提示してしまってそれが後々残っていくと思うと、僕がいままで演じてきたもの、演じてきた愛が少し腐ってしまうんじゃないかと思うので、そのまま腐らないままにみなさまの心の中に留めておいていただけたら」

というようなお話をされていて、こんな風に言ったら失礼になってしまうかもと心配されていたけど、むしろこれ以上ないほど最高のアンサーをありがとうございます……

 

2015年、初めてイーヴを演じた時のインタビューでは「自分はイーヴのように、まだそこまで人を愛したことが無いし言葉に出来ないほどの愛を知らない。やっぱり言葉に出来るし言葉が一番伝わると思う。でもそれを超えた愛こそがイーヴがイーヴたる所以だと思うから、最終的に感じたいものはイーヴのその部分」(意訳)

……この、言葉に出来ないような愛を知らなかった頃があって、時を経て何度も何度もクロードを深く想って、どこまでも愛して、そうして今は言葉にできないほどの愛を知ったのですか……

 

そうそう、アーカイブ配信の特典もめちゃくちゃ豪華でしたよね。

ハルニさんと井澤さんによるバックステージツアー、その時に改めて舞台周りの小道具の意味を解説してくださっていて、ポール・クローデルの本や燭台、たくさんの本が積まれているのはクロードの家(※警護官はほとんど触れない場所だったそう)そこにあのかわいいクマちゃんがふたり仲良く眠っているぬいぐるみが置いてあったのはやっぱり…うぅぅ切なさでちぎれそうだわ(京都ではスペースの関係か置いてなくてちょっと寂しかった)

黒い通路は水面を表現していたっていうのは全く気付かなかったので、なるほど…!となりました。

 

キャスト座談会もたっぷり30分くらいあって、貴重なお話をたくさん聞けて最高だったな。

特に印象的だったのは、8年前から同じ彼という役を演じているけれど、ずっと役の新鮮さを保ってるよねというハルニさんに対しての凌さんの答え。

「不思議なのはそれは役の魔力で、イヴっていう役のもっているものがある。僕が初めて演じさせていただいた時から、僕にとってのクロードは一切変わりない、何年経っても。彼(イーヴ)でもあるけど、クロードが僕をそう離さないようにしてくれている感じ」(意訳)

なんかもうそうかそうなのか…って、凌さんがそう思って演じていたからこそ、こんなにもイーヴに惹かれるのかもしれないなと思った。神尾さんも仰っていたけれど、そんな風に思える役に出会える事ってなかなかない事なんだろうし、やっぱり特別なものなんだろうな。

 

この作品と松田凌が出逢った運命に、このご縁を繋げて下さったすべての奇跡に感謝……

 

そして、クロードと一緒にがあまりに素晴らしすぎて、自分が感じたものを残しておきたくて書き始めたこの日記、改めて7/1から読み返してみたけど、この作品がどんなお話しなのかとか客観的に何がどう素晴らしいのかほとんど書いてなくて、我ながらびっくりした。

でも、あの時あの場所でしか感じられなかったものがあったことだけは分かる気がするから、自分がまたこの日記を読み返した時に、あの日の執務室へ行けたらいいなと思う。

 

万が一、検索などで物語の内容や時系列の詳細が知りたくてここに辿り着いてしまったとしたら誠に申し訳ないのですが、とにかく松田凌が演じるイーヴがたまらなく最っっっ高だったんだ!!!!!!!ってこと、そしてまたいつか上演することがあったら、絶対に絶対に観に行ってみてください!!!!

とにかくすごくてすごい舞台なんだきっと観たら分かる圧倒的な感情が押し寄せて来て溺れてしまう息が出来ないくらいの苦しみと愛おしさを全身で感じてもうどうしようもなくなるので!!!!!!とにかく!!劇場へ!!!!!

 

この作品はこれからもずっと続いていってほしいし、また上演されることがあったら絶対に見届けたいです。

そしてその時イーヴを演じるのが松田凌だったらと、どうかそうでありますようにと願わずにはいられないけれど、ご本人が最後だと思って演じていたのだから、またやって欲しいっていうのはその気持ちを尊重できていないというか勝手な押し付けになってしまうよな…と分かっていても、でも、もしかしたらこの先なにかのきっかけで奇跡がおきて、いつかまたって期待してしまうのを止められない…ゴエンア……

 

この作品が大好きだって思う気持ちはもちろん、劇場に行くまでのワクワク感とか、そこでしか感じられない熱気とか圧倒される感覚とか体の底から溢れる感情とか、そういうもの全部味わえる舞台ってほんとうに最高だな、素晴らしいなって毎回感謝しながら観ていたし、すごく特別な時間を過ごさせてもらえたなと思う。

 

秋にはモントリオールの写真集が発売されるので、またそこでこの作品の世界に触れられると思うと、まだだ!まだ終わらんよ…!という気持ちもありますが、

2023年7月【Being at home with Claude〜クロードと一緒に~】

この作品に出会えたこと、目の前でその熱を感じられたこと、震えるほどの感動を味わえたこと、その全部がかけがえのない宝物です。

 

こころから、ありがとうございました!!

 

f:id:papi139:20230815220132j:image

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうか、またいつか、松田凌さんが演じるイーヴに出逢えますように。

 

◆2023年7月22日 〜クロードと一緒に〜(京都)

今日は前楽。

いやだもうあと2回で終わってしまうなんて…行かないでクロードォ……

もともと京都は4公演しかないからあっという間に終わることは分かっていたけど、今回は夜公演のみということもあり、朝から昨日の公演を思い出しつつ日記書いたり、推しのブロマイドを眺めて一人でニヤニヤしたり、ご飯を食べがてら近くをプラプラ散歩したり、舞台までの時間もゆっくり味わいつつ楽しめたなぁと思う。

暑いのが苦手だからもともと観光するつもりはなかったんだけど、今回ふぉろわさんが共有してくださった美味しいお店リストのおかげで、めっちゃ京都を満喫できました。教えていただかなかったらたぶん毎日適当にコンビニ飯だったと思うので、本当にありがたかったです!

 

今日は京都公演で一番の良番(20番台)で、運よく下手正面寄りの最前列へ。ちょうど舞台の角が正面に来るお席。

京都の会場はいったん入場すると席を立つことが出来ないので、本当に静かな会場内で開演までじっと待つ事になる。これがすっっっっごく良かった。舞台観る時はもう毎回あれがいいな…(おトイレ心配問題はありつつ)

 

私は毎回入場する時点でスマホの電源を切っていたので、座ってから40分くらいただひたすらあの空間を眺めていた。立ち込める甘い匂い、天井から差すやわらかい光、空調の音、外から聞こえるかすかな声、外の明かりを遮断する為に鉄の扉を閉める音、女性の声のアナウンス、警護官が歩く気配、声、そして舞台にうっすらと青い光が降り注ぎ、暗転。

 

彼が歩いてくる。ものすごく近い。手を伸ばしたら触れられそう(たぶん実際は届かないけど体感的に)

横浜公演を通して初めての最前列だったけれど、目の前になにもない状態で見るとこんなに心許ないのかと驚いた。もう防御するものがないというか、何もかもが全部自分に押し寄せてくる感じ。途中酸欠になるかと思う程、本当に苦しかった。

終幕後あまりに息苦しすぎて、すぐに外に出て来てしまったほどだった。こんなこと初めてだった。

 

その分、過去最高の没入体験を味わえたと思う。見える角度も最高すぎた。舞台を包むあの空間全体が世界の全てで、自分もその中にいて完全に一体化してるみたいな。

特に「人生最高のシャワーだった」っていうシーン、目の前でその台詞を言っているイーヴの汗が、本当にシャワーを浴びてるみたいに頭から首筋までダラダラと流れ落ちていて、赤い照明の名残が肌にまだ残ってるようにも見えて、重く光っていた。ものすごい実体感、そこにいる、これは本当に起きていることなんだって。

 

今までも同じシーンを観てきたけど、手が届きそうな場所でそれを見て、リアリティの極地というか、すぐそこでイーヴが生きてて、いま泣きながらクロードの血を洗い流してる、シャワーの湿度、音、血の匂い、まるで手触りがあるような生々しさだった。

最後に部屋から出て歩いていく時、汗と涙と鼻水でぐちゃぐちゃになってて、でも口許は癖になってしまった作り笑いなのかうっすら笑みを浮かべてる。なのに目からは涙がとめどなく流れて、ちょうど目の前を通り過ぎる時にくしゃって目元が歪んで「……ッ」て声にならない泣き声が、息遣いが漏れ聴こえてきてもう無理だった……最後ドアに消える直前も顔を覆っていたように見えた。

舞台上では一瞬ふっきれたような感じにも見えたけど、笑いながら泣いてるのをみてしまって、そうだよなそんな簡単な事じゃないよな……

 

気のせいかもしれないけど、今日は台詞のひとつひとつを丁寧に噛み締めるみたいに言っていたような気がした。反響も昨日より全然気にならなくて、あの高い天井に吸い込まれていくみたいに感じてむしろすごくよかった。

 

今日のイーヴと刑事との掛け合いのタイミング超最高すぎませんでした!?!?!殴り合ってるパンチがお互いガンガンヒットし合うというか、やべーーきもちーー!!!みたいな感覚がめっちゃあった。わたしが勝手にそう思ってるだけかもしれないけど。今日の神尾さん最高に好きだったな…

他にもすごいドウッてなってブワってしたとこあったけど、推しが好きすぎるという高ぶる感情を抑えながら見てたから記憶がない。でもそう感じたことはちゃんと覚えてるから、もうそれでいいや。

 

そして松田凌31歳、ちょっとほんとに肌艶良すぎて目が眩む……あんなに近くで見てもほっぺたツヤッツヤ……たぶん今回お化粧なんてしてないような。多少してたとしてもあれだけ汗かいて途中で顔も洗ってたら全部流れ落ちてるわ……それであのつやつやを保てる秘訣は何……本人曰く、バババババッ!!!ってしか化粧水つけてないのに?ほんとに31歳なの??

年齢なんてただの数字って誰かも言ってたけどちょっとびっくりしてしまう。照明当たってるっていうのもあるけど、頬骨のとこ常に光ってて、というか輪郭が常に発光しててもう本当に美しいんだよな…儚くて眩い。

たぶん今の体型(脂肪のつき具合)がより少年ぽさを感じさせるんだろうと思う。今の凌さんのスタイルめちゃくちゃ好きなんですよね。背中も腕もお尻もほどよく脂肪が乗ってて、やわらかだけど強靭さもあり……うーんよき(ソムリエ顔)

 

それからこれはずっと好きポイントなんだけど、基本的に足の爪先を内側に向けるようにしてるとこ、内股ではなくてちいさく縮こまるみたいな。意識してやっているのか自然とそうなっているのか分からないんだけど、あれほんとすごい、それだけで幼く見えてしまう。椅子の上に膝を抱えてぎゅって座るのもとてもすき。

キャロットケーキのレシピ〜のシーンもちょうど目の前で、ちょこんと座って目をキラキラさせて愛おしそうに話すのがあまりに可愛すぎて脳みそが爆発しました。

 

あと、もう最後なのでずーーーっと気になってたこと言ってしまうね(R15かも?なのでご注意ください)

 

 

 

 

 

胃が痛かった、ちょうど臍の下あたり、レンガブロックを飲み込んだみたいな痛みだった🧱って話なんですが。
胃って臍の下だっけ??ってずっと思ってて…鳩尾あたりじゃないのかなぁって。
それで、クロードと一晩で15回も飛んだんだとすると、そりゃあ前立腺のあたりが痛くなっても不思議じゃないよなって。

すみません医療知識があるわけじゃないので、ほんとの胃痛は臍の下だよ!かもだし、イーヴも的確にここって言えてるわけでもないよね、たぶん。この辺り~だし。

ただ、クロードの血を飲んだから実際に胃も痛くなったけど、感覚的には下腹部でクロードの名残を感じていたのかな、という想像をしてしまいました(個人の感想です)

※原著を翻訳して下さった方のお話では「15回も止めたんだ」となっているとのことで…!あれは15回も止めた先にあった爆発だったのだな…

 

そういえば、京都公演は基本的にカテコが1回だけだったな。今日は退席を促すアナウンスが流れた後も、改めて拍手が起こっていた。カテコがあって当然ではないし(特にクロードはなくてもいいのかもしれない)回数だって決められてる訳じゃないから1回だから残念とかでもない。ただ、客席からは拍手の大きさでしか本当に素晴らしかった!ありがとう!って感謝を伝えられないから、たくさんたくさん拍手をおくりたい。どれだけしても足りないけれど。

 

はーーーー舞台を観た後に、ひとりで色々思い出しながら浸るこの時間をほんとうに愛してる。

明日はいよいよ大千穐楽

終わって欲しくないけど、見届けたい。

 

f:id:papi139:20230724171255j:image

◆2023年7月21日 〜クロードと一緒に〜(京都)

もともと京都公演は土日のみチケットを取っていたんだけど、21日に入っていたどうしても外せない打ち合わせが奇跡的にリスケになった瞬間、わたしの脳内で「そうだ、京都行こう」ってCMが高らかに流れた。

ありがたいことにチケットにもご縁をいただけたので、光の速さで新幹線とホテルを取り直しいざ京都へ!

京都公演にあたり、主催側から事前の注意喚起(公演中でも水分を取ってください、といった熱中症対策など)が繰り返しアナウンスされており、確かに京都の夏はヤバい暑さ&今回の会場は歴史的な建造物だから空調が効きにくいのかな?本番中に倒れる訳にはゆかぬ…!という、事前の心構えと対策を講じて挑むことができたのでとてもありがたかったな。

(その後初日参戦のみなさまのレポにより、館内の空調もきちんと効いていて観劇には全く問題なかったと聞けてホッとしました)

実際に京都文化博物館(別館)を訪れてみると、入り口入ってすぐ、客席は見えないけど建物の雰囲気は十分分かるようになっていて(セットの扉もすこし見える)こんなに素敵な場所であの舞台が観られるなんて…!!とめちゃくちゃ感動した。

古い建物特有の匂いと、空気が甘やか?なんかまろやかに感じるのたまんないな。深呼吸するとすごく気持ちいい〜四方のバルコニーに照明が仕込んであるのが見えた。天井にはまったく吊れない構造だから本番はどうなるんだろう……と思いを巡らせつつ写真たくさん撮りました。こんな貴重な経験なかなか出来ない。幸せ。

今日は整理番号120番台で下手側に座ろうと決めて入ったら、既に舞台奥寄りが若干空いてるだけの状態だったので最後列に着席。結果最高に良かったです!1番後ろだけ一段高く作られてて視界がクリアになるのも◎

 

今日1番の衝撃は、終盤イーヴが投げつけたジャケットが机から滑って床まで飛んでいってしまったんだけど、信じがたいことにそれが落ちた時に両手を広げているような形になっていて、まるでクロードが横たわっているみたいに、ほんとうにそこに現れたみたいになって、もう足の先からゾワーーーって鳥肌たった…こんなことある…??

いままでは何もない床を見つめてそこにクロードがいるかのように演じていたんだけど、今日はまるでそういう演出かと思うような出来事で、なんか降りてきたのかと思った。

availableと刺繍の入った、きっと皮肉や蔑みをたくさん浴びてくたびれて重くなっていたであろうイーヴのジャケット。

それが、両腕を大きく広げて微笑みをたたえ、イーヴを抱きしめながら死んでいったクロードと重なるなんて、なんかもう、叫び出したくなるよ……

そのジャケットの上に寝そべり、やさしくやさしくクロードの瞳を閉じたイーヴ。表情は見えなかったけど、その指先から伝わる愛おしさを感じてうわーーって泣けてしまった。

もうこの瞬間を観るためだけに来て良かったと思った。こんなこと起こるんですね。すごいなぁ…

 

今日は、刑事や速記者に対してだけじゃなく傍観している人々に対して(我々に向けて)怒りをぶちまけているような、会場が狭いせいもあってイーヴの叫びを直接投げつけられているみたいだった。

まるで直接胸ぐらを掴まれて目の前で叫ばれてるみたいに感じるほどで、舞台上からの圧に息が浅くなって瞬き出来なくなってしまった。

以前の公演で、船の汽笛の音に「うるせえ!!」って台詞ではなく叫んだというお話を聞いたけど(ハルニさんのインタビュー)もしかして今日も何か物音が聞こえたらそんな風になったのかもしれない。

あと汗がめちゃくちゃすごかった。横浜はあそこまで汗をかいてなかったと思うんだけど、もう顔も首筋もダラダラ流れ落ちる程で、汗か涙が鼻水かわかんないくらい。生々しい熱量…!!最高!!

今回初めての下手側からの観劇だったから、当たり前だけど初めて見る表情ばっかり!横顔しか知らなかったり、あの時こんな顔してたの…!を真正面からたくさん浴びて、なんだか初演を観てるような気持ちになった。

明かりの付いた家を見ながら昔を思い出すシーンで一気に幼くなる表情、美しい人を見つけた時の目の輝き、電気をつけたまま〜の照れて笑いながら目線を外す瞬間、彼は僕の首に手を回して…の彼をじっと見つめる切ない目、僕たちは30分くらいキスをしたって言って目を閉じて思い出してる時の甘やかさ、血を飲んでる時の足の裏その足の指先にまで感じる艶かしさ、それから…それから……お尻……お尻がね……もうね……

そしてやっぱり躍動する前鋸筋ですよ…大好きだ…前鋸筋にこんなに萌える日が来るとは思わなかった。タンクトップ優勝です。

そして今日も、どんな顔してるのかまで想像できてしまうような雄弁な背中だったな。

やーーーーこれは上手も下手も正面も全部捨て難いなぁああああみんな違ってみんないい!変形舞台ってなんて贅沢なんでしょう。

それから「彼が僕で僕が彼、あーーわかんないでもそれが真実!」ってときちょうど目線の高さが合ってて、もうほんっっとにキラキラした目で訴えかけてくるから心の中で5億回頷くことしかできなかった……ワワワワワカルゥ✖️5億

 

京都公演初日、反響音がすごくて台詞が全く聞き取れなかったというレポをかなり多く見かけていたので、そんなにも…!と少し心配していたんだけど、わたしの体感としては確かに横浜に比べると音が反響して広がってしまうというか、特に背中を向けて喋ってる場合顕著だったけど、許容範囲ではあったかなと。

(わたしは複数回観ていてある程度物語の流れや台詞を認識している状態なので、仮に聞こえにくくても自分で補完できてしまうからそこまで気にならなかった、というのもあると思う)

ただ、反響音がなかった横浜初日でもこれだけの熱量の会話劇を見たことがなかったせいもあって、正直聞き取れない(これは自分の耳がついていかないという意味で)ところも多かった。
畳み掛けるようなやりとりが続くので一語一句分かったかといえば全然そうではなかったし、台詞を聞き取るというよりも、もはや舞台から発せられる熱をひたすらに浴びて気付いたらその世界に引き込まれてビシャビシャになっていたというか、とにかくなんかすごいものを観た…!!という感覚が強かったなぁということを思い出しました。

事前に演者も含めて下見までした上でここでやろうと決めたのにはきっと強い思いがあるのだろうし、通常の舞台のようにはいかないことはもちろん最初から分かっているわけで、それでもチャレンジしてみよう!という気概が素敵すぎる。

ふぉろわさんにシェアいただいた情報によると、可能な限りの反響対策は施した上での公演とのことなので、この会場でしか味わえない楽しみ方をしたいなと感じました。

建築の美しさ、重厚さがまるごと舞台装置の一部のようで、あの場所だからこそ、始まる前の静寂を肌で感じたし、みんなジリジリと息を潜めて待っているあの感じ、たまらなかったなぁ。
赤レンガ倉庫もすごく良かったけど、京都の天井の高さ、真っ白な壁と濡れたような艶のある木のコントラストが美しいこの場所ならではの没入感がすごかった。

壁面が広いので、影の演出も飲み込まれるような感覚になって更に良かったなぁって。

空調も、暑すぎず寒すぎずでちょうど良かった。ただこれは座る場所によるみたいですね。でも座っててちょうどよい=舞台上で動いてたらめっちゃ暑かっただろうなと思う(凌さんの汗の量のすごさよ…)

 

物販や入場の列形成から誘導など、普段の劇場とは違うあの限られたスペースの中で本当に良く考えられていて、全てスムーズに進み、なんのストレスも感じることなく舞台を楽しめたのはスタッフのみなさまのおかげだなぁとしみじみ思いました。

今日も暑い中たくさんいらっしゃって、本当に感謝しかないです。ありがとうございました!!

 

残りあと2日かぁ……

どうか無事最後まで生き抜けますように。

 

f:id:papi139:20230722114348j:image

 

 

 

◆2023年7月9日 〜クロードと一緒に〜(横浜公演楽日)

ついにこの日が来てしまった。

手元にあった横浜公演のチケットも、ラスト1枚に。さびし………

今日は14時からだからもっと遅くていいのに、朝からソワソワしちゃって早めに出発。家を出た時は穏やかに晴れてたはずが、馬車道に着いたらなぜか雨降ってるし折りたたみ傘が裏返るほど風強いしでさすが推し。恵みの雨だ。

そういえば、Twitterにタグ付きで書くコメントってちょっと緊張しませんか…!でも進撃ミュでご教示いただいたことはしっかり実行していかねばと思うので!

「#クロードと一緒に 横浜公演千秋楽おめでとうございます。
瞬きする間も惜しいほど、こんなにも心を揺さぶられる舞台に出会えて本当に幸せです。毎公演ひとつとして同じ瞬間はなく、その日を生きる熱を胸に焼き付けた日々でした。どうか今日も無事に幕が上がりますように!」

 

今日は最後なので、廊下に飾られているパネルやモントリオールの風景写真もひとつひとつ眺めつつ、あの長い廊下をゆっくり歩いた。うーんもう泣きそう。

半年前に進撃ミュで初めて松田凌に出会って、このタイミングでクロードと一緒にの再演があり、チケットにもご縁をいただき今ここにいることが出来ている。ちょっとでも時期がズレていたら、再演が今年じゃなかったら、そもそも彼に出会わなければ、そっちの可能性だって十分にあった。これってものすごい奇跡なんだと思う。

 

横浜公演楽日、観劇。

 

今日一番息を呑んでしまったのは、最後にイーヴが部屋を出ていったあと、床に投げ捨てられてまるでゴミみたいになっていたイーヴのくたびれたジャケットを、ギィが自ら拾って、丁寧に椅子の背にかけていたところかもしれない。

昨日からイーヴの靴を揃えるようになってそれも相当グッと来ていたのだけど、あのまま忘れ去られてもおかしくないあのジャケットを、ちゃんと拾い上げてくれた。それだけでイーヴの尊厳が守られたような気がして、どうしようもなく泣けた。

井澤さんが演じるギィの事、もっと知りたくなってしまったな。

 

刑事役の神尾さん、あれだけ大声で怒鳴って叫んでイーヴをこれでもかと蔑みまくって、うちのイーヴにナンテコトスンノヨー!!!(ガールフレンドの声真似毎回好きだった)って思うところだけど、全然嫌いにはなれなかったな。なんか一番人間くさかったし、今まで見てきた少年たちの事を思い出して冷や汗をかいて夜中に起きるような、目が溶けるくらい泣きたくなる事もあるような人でもあった。

お前みたいなやつを二度と見たくないっていうのも、もうこんな事をしてほしくないって気持ちも多少はあったのかなぁとか。

毎回言い回しのニュアンスが細かく違って、超イラッとすることもあれば観ているこちらが本気でビクッとなるような怖さもあり、そうかと思えば妻との電話の最中にはふと普段の笑顔を見せたり。

何よりもあのイーヴと対等にやりあえる迫力と説得力。惚れてまうやろ……

 

警護官役のハルニさん、感情を出すことも動きを大胆に変えることも出来ない、ただ淡々とそこにいて、客席と舞台の間を揺蕩う人。彼がそこにいることで、客席と舞台の境界線を曖昧にしてくれる存在なのかも。

あと、開演前のアナウンスの声がすっごい可愛くて(少年のようで)最初は警護官のビジュアルと結びつかなくてちょっと混乱した(笑)

クロード初演から皆勤賞で出演されていると知り、ハルニさんだからこその視点でのお話しを伺ってみたいなぁと思いました。過去作のパンフとかで拝見出来るのかな、楽しみだな~!

 

そして我が推し、松田凌さん。

…こ、これが、これがあの「言葉にすると陳腐になってしまうので(by松田凌)」のきもちなの……!?!?

いまこの時に、凌さんが演じるイーヴの生き様を見届ける事が出来て本当にしあわせです。京都公演も、美味しいごはんをたくさん食べてたくさん寝て健康第一でいてほしいです(作文)

 

なんだか今日のイーヴ、めちゃくちゃ若返ってたというか幼さを感じた気がした。刑事に違う!!って叫ぶところも、違うよ!!ってなってたり。たまたまかもだけど。

あと、最後の「だって……腐っちゃうって」の言い方が、いままでで一番切なかった。絞り出すようにやっと言えたけど、完全に泣き出す前の子供のように震えて掠れてしまって。ほんとならそんなこと、一番言葉にしたくなかっただろうに。

ケツの穴でしか人と関われなかった、のところも、いつもだと叫んでいる事が多かったように思うけど、今日はとても悲しそうだった。しょうがないだろ!というより、なんで?っていう。

あと、ずっとクロードを見ようとして、できるだけ瞬きしないように目を見開いていたように思えてならなかった。涙がこぼれ落ちないように必死で我慢してるみたいだった。その必死さがいとけなかった。

 

そういえばどうなんだろうとずっと思ってることがあって、クロードの喉を切り裂いたり時「痛くしちゃったかなって一瞬怖くなったけど、たぶん痛くなかったはずだ」の後ちいさく頷いて「…うん」て言ってると思うんだけど、最初は自分自身に対する確認みたいな、うんそうだ大丈夫だったはずだ、というニュアンスかと思っていたけど、イーヴの中にいるクロードが「うん(痛くなかったよ)」と言っている(と感じてる)という捉え方もできるのか??って。

クロードの血を飲んだのは、イーヴにとってとても自然なことだったんだろうな。喉を裂いたのと同じように頭で考えてやったわけではなくて、そうするのが必然であったというか…

 

初日の日記に、わざわざ役名を『彼』としているのはなぜだろう、と書いたんだけど、イーヴの中にあるクロードのことでもあるのかなぁ。劇中でもクロードの事を(特別だと感じてからは)ずっと『彼』と言っているので。

 

観劇後は、自分自身もっと感傷的になるのかなと思っていた。泣いて泣いて立てないとかなってしまうかなって。

でも、マスクの中は涙と鼻水でぐしゃぐしゃだけど、最後のカーテンコールで出てくるまで待ちきれずにバッと立ち上がって思いっきり拍手していた自分に少し驚いたし(そもそもスタオベってなんとなく周りの様子を伺ってしまうところがあったから)なんだかめちゃくちゃ清々しい気持ちだったんですよね。

本当に毎回すごいものを観させていただいた、何もかもが素晴らしかった、最高の時間をありがとうございました!!って拍手でちゃんと伝えたかった。

そして、カーテンコールはいつも通りで(特に挨拶なども無く)幕を下ろした。それがなおのこと良かったな。

客席から廊下に出て名札を回収してたら容赦なく大道具をバラす音がガンガン響いていて、もちろんスケジュールあるから仕方無いことなんだけどあとちょっとだけ待ってぇ…!!と少し笑ってしまった。

でもだからこそあの瞬間にしか味わえない、そこにしかない最高の空間なのですよね、きっと。ふぉろわさんが仰っていたのだけど、まさに『ギフト』なんだなぁと。

舞台って、お芝居ってなんて儚くて素晴らしいのでしょう。

やーーわたし、こんなにも忘れられない鮮烈な舞台を知ってしまって、この先の大丈夫なのかな。

 

そうそう、イーヴの鎖骨のタトゥー、見間違いかもしれないけど百合の花のように見えた。

帰り道のいつもの公園にひっそりと咲いていたので思わず写真を撮りました。

百合の花言葉はたくさんあるけど、availableと同じで自虐的な意味というか、男娼だけど「純潔」ってなに言ってんのって笑っていいよ、って感じなのかな。

でも一方で「誇り」という意味もあるので、イーヴの中だけでわかっていればいいこととして、それも込められているのかなぁと思ったりしたのでした。

 

2023年7月1日~7月9日 

横浜公演、無事終幕。本当にお疲れ様でした!!

 

f:id:papi139:20230710090138j:image

 

◆2023年7月8日 〜クロードと一緒に〜(マチソワ観劇)

はーーーー今日も始まってしまうーーー観たいけど終わってほしくないよぅ

週末だからか、いままで何もなかった赤レンガ倉庫の前にイベントスペースが出来てて、屋台があったりライブしてたりたくさんの人がいた。イーヴが来た広場もこんな感じで、みんな大声でくだらない話をして楽しそうで、それなのにこれ全部が一瞬で消去されたみたいな気分になったのだろうか……ねぇもう始まる前からしんどいんですが。

勘弁してくれぇ!!!(刑事の声で)

今日はロビー開場と同時に入って、モントリオールの写真集のパネルを一枚一枚眺めていた。どれもこれもなんていい表情なんだろうか。

凌さんがいつかのブログで「原作者であるデュボアさんにいつかこの作品を、彼を愛していますと一言でいいから感謝を伝えたい」ということを書いていたと知って、今回それが叶って本当に良かったねぇ…って。

彼自身イーヴを演じるのは最後だと思って挑む時に、実際のモントリオールの地を踏み、そこにあるものを肌で感じて、ずっと伝えたかった事も伝えられた上で演じることが出来ているって事なんだなぁと思うと、尊さしかない。

ベンチに並んで座っているイーヴ役の凌さんと、美しい彼役のデュボアさんの後ろ姿を見ると、なんかもう切なくてたまらない。

いろんな奇跡が積み重なっためぐり合わせ。は~~~~~~~~~~~~

 

劇場に入って舞台を観るとなんか毎回泣きたくなるんだよなぁ。なんなんだろうなぁこの感覚。
これからここで起こる事、いままで積み重ねてきたもの、インタビューなどから知ったこの舞台にかける想い、今日はどんな風にこころが揺さぶられるのか、自分もここにいることができて本当に良かった!しあわせだ!!みたいな感情がバーーーっと押し寄せてくる感じ。最近ほんと始まる前から泣いてる。すべてに感謝……

 

マチネ観劇。

 

もうさ……………毎回ほんと違うのすごすぎるんよ……生きてるんよ……

クロードの喉を裂いた瞬間、たぶんはじめて?本当に声をあげて叫んでた。聞いたことのないような悲鳴だった。引き裂かれるみたいな、文字で表現できない、焼き切れそうな声だった。(手で抑えても漏れてしまった、というのはあったと思うんだけど)

あまりの叫びに鳥肌が立ってしまったな……きっとイーヴの胸の中にはもっともっと激しい嵐があるのだろうけど。

でも今日は涙はなかった。私が見えた限りでは一粒もこぼしてなかったと思う。もうほんとうにからっぽで、涙も出ないくらい。声のトーンもなんだか幼くて、すべて本当に諦めて、だけどもう自分だけがクロードとの間にあったものを分かっていればいいんだ、それが全てだって、彼の覚悟みたいなもの、思い出も哀しみも絶望もこれから起こることも全部抱えてクロードと一緒にいる、というような。

わーーーーってなったのが、彼の全身にキスをした、のところで、明確に、確実に、「ちゅっ」ってリップ音が響くくらいにキスをしてて、いままで逆にそうしてなかったのが不思議なくらいなんだけど(くちびるでなぞるくらいなイメージ)
たぶんあそこまで明確にちゅってしたのもはじめてなきがする。ひえーーーーここへきてーーーーそんなことーーーーーーーすごく……よかった……よりいっそうリアルだった………

 

イーヴにとってのクロードは、なにがいままでの人と違って特別だったのか。

イーヴがはじめて見返りを求めない関係性でいられると思った(金を置いて家を出ようと思った)からだと思うけど、それはクロード自身も同じだったのだと思う。

僕は君を選んだよ、とただ伝えたかっただけ、決してイーヴに「(自分を)選ぶようには求めなかった」

お互いに同じ温度で見返りを求めないでいられたんだろうなぁ。

あと、クロードがイーヴと初めて出会った時「僕を見て、両手で顔を覆って空を見上げた」って台詞があると思うんだけど、それってもう一目惚れだったのかなぁ。

クロードが読み聞かせてくれた本を、大切そうに胸に抱きしめたのも切なかった。

判事の部屋から出ていく時も、目に力があったというか、まっすぐ前を見据えて歩いていた気がする。ある時は涙でぐしゃぐしゃになりながら、ある時は虚無と孤独を抱えながら呆然と、ある時は愛おしい微笑みをたたえて。

どんなイーヴもそこに生きた彼。

最高です。

 

今回のクロードで連日お世話になっているコーヒーショップがあるんだけど(1人でもカウンターがあるし充電も出来て助かる)マチソワ間、ここでボーっとするのがとてもすき。

思った事メモしたり、さっきまでの舞台を思い出して涙ぐんだり、それだけしか考えないすごく贅沢な時間。

普段日常生活を送っていると、仕事とか家事に追われて、本当の意味での自分のためだけの時間てめちゃくちゃ貴重じゃないですか…舞台を見ている時間も、誰にも邪魔されない自分だけの大切な時間。

 

 

ソワレ観劇。

その後の第一声。

 

無理です。

 

すごい俳優を好きになってしまった。

マチネとも、いままでとも違う、別の視点からこの舞台を見たような気がした。

ずっと感じていたのはイーヴの全身から溢れ出る慟哭だった。

人間には選べないどうしようもないことがあること、自分がゲイであること、ただそれだけで犯罪者扱いされる時代に生きていること、生きていく為に男娼という職業を選ばざるを得なかったこと、ケツの穴でしか人とかかわれる術を持たなかったこと、でもそれの何が悪いんだ!!これが自分だ!!!
availableと書かれたジャケットを叩きつける前にこちらにわざわざ見せつけて、叫んでた。これが自分の生き方なんだ!!!

もちろんクロードとのかけがえのない愛の物語ではあるんだけど、そしてわたしはどうしてもそこに強く感情移入してしまうんだけど、今日はイーヴという人間を通して見た彼自身の世界の話というか「僕の物語を聞かせた」って台詞の通りだと感じた。ものすごく今更だけど。はーーーーーー彼の生き様をみた………

あんたは全部知ってる、のあんたはイーヴ自身のことなんだろうな……あんたが出て行けば全て元通り、そんなことを考えるなんてナイーブすぎだ!!そうやって自分自身に何度も言い聞かせてきたんだろう。全部分かってるって。

なんか今日は台詞の端々で感情が溢れて声が震えてた。聞こえなくな…っのところとかも、彼だけいなくなるなんて信じられなかったって、このまま大声で泣き出すのではと思うほど。
出て行け出ろーー!!!!って絶叫した後机の周りを歩き回わらずに、今日は脱力したみたいに椅子に座って机に足を投げ出してた。この時も声が震えてたけど、まるで自分に対する嘲笑に失敗して泣きそうになってたように見えた。

最後、いつもは判事の部屋の鍵をテーブルに投げるけど、今日はクロードがいるであろう場所に、クロードの体の上に投げた。イーヴがここまでやっても諦めざるを得なかったというどうしようもなさが伝わってくるようで本当に辛かった。
それでも、その鍵とともに横たわるクロードのことをずっとずっと見ていた。なかなか動こうとしなかったし、やっと歩き出して、まるでこんなのなんでもないことだと笑おうとして、だけど出来なくて泣き声が漏れてしまっていた。つらかったんだとおもう。どうにかしてクロードの尊厳を守りたかったのに。

 

それから、爆発までに至るシーン。

初日から回を重ねて、リアルよりも更にすごい、リアリティのその先(?)を見せていただいている気がします。本当に息を呑んでしまう。クロードがいるわけではないけれど「見える」し、イーヴの興奮や滾る感覚、燃えるような熱さまで伝わってくるようで、いったいどういう演技プランを…?

のたうち回る肢体が本当に艶めかしい。すごくてすごい(100回目のすごくてすごい)

 

刑事が一人になった時に、靴先でタンタタタン、タンタタタンってしたり、椅子をグルグルしたり、速記者が椅子にウンコ座りしたりするのもなんか人間味があって良かったなぁ。

ところで神尾さんも井澤さんもかっこよすぎませんか?????

2人のバディ感みたいなのがすごく好きです。イーヴがいない時の二人は冗談言い合って笑ったり、普通に飲みに行ったりしてるんだろうな。

あとマチソワ共に、最後にギィがイーヴの靴を揃えて椅子の横に置いたのもとても印象的だった。

刑事も速記者も、イーヴの独白の途中から意識がちゃんとイーヴに向くというか(ギィも途中で速記を止めるし、刑事も一切口を挟まない)当初はまったく理解できない、拒絶、否定しか出来ないところから、共感は出来ないかもしれないけど、イーヴの感情に触れて、「理解しなくていい、でも解ってほしい」という願いが通じたのかな。

そうそう、クロードが日記に「プロと寝るのは妙だ」と書いてたと刑事は言っていたけど、あれはもしかして嘘なのかなって。イーヴに対する刑事の個人的な蔑みから出た言葉のような気がした。

それから、警護官のハルニさん。

センターから見た時に、イーヴが判事の部屋から出ていく時に階段の下で警護官がちゃんと待ってるんですが、イーヴを見る目がなんだか優しくてさ……部屋の中の会話って警護官にも全部聞こえている設定なのかな。その辺ちょっと分からないけど、最後はじっと聞き入っているような気がするので、同じく何か動くものがあったのかな。

 

「男娼とは生き方なんだ。年齢なんて関係ない」

そう叫ぶ彼を見て、イーヴというひとりの人間のプライドと生き様を改めて見せ付けられたような気がした。

それと同時に、松田凌という人の生き様が重なったようにも思えた。

「役者とは生き方なんだ。年齢なんて関係ない」

ッカーーーーー松田凌〜〜〜〜〜!!!!!!!!

これから歳を重ねてますます魅力的になって行くんだろうなぁ。

 

はーーーー今日は本当に圧倒されたし何度も何度も鳥肌がたって、もうたまらずに最後スタオベしてしまった。

素晴らしい時間をありがとうございました!!

どうか明日も無事に幕が上がりますように。

 

f:id:papi139:20230709014448j:image

 

◆2023年7月7日 〜クロードと一緒に〜(ソワレ観劇)

本当に始まってしまうとあっという間で、残り4公演に。

でもここまで無事に公演が出来ていること、本当に奇跡の積み重ねですよね……毎日毎日、どうか今日も無事に幕が上がりますようにと祈ってる。

あーーーさびしい。永遠に観ていたい。終わっちゃいやだよ。

 

 

今日観ていて、これは本当になんとなくなんだけど、その日によって、強く押し出す感情みたいなものが変わっているような、今日は特に、怒り・苛立ち・ジレンマみたいな感情の圧をとても感じた気がした。

そう思うと、昨日のマチネでは、哀しみ・寂しさ・喪失感、ソワレは、愛情・愛おしさ・慈しみを感じる微笑みを湛えていた瞬間が多かった気がするし、それぞれに感じる印象の違いが強くあったなぁと思って。

刑事のテンションもその日の彼と呼応して細かく変わってる気がしていて、今日は2人とも脳の血管切れるのではないかと思うくらいバチバチだった。

5日の公演のあの、お互いに疲弊し切って大声も出せない、幾分投げやりな独り言のようなリアリティが敢えてのものだったのかも…??とか考えるのも楽しいです。

同じ台詞でも言い方によって全然違って聴こえるし、それぞれの間とか、一呼吸違うだけでも鳥肌がぶわって立ったり、目線ひとつにしても感情が違うものに見えたり。

日々演じていて、どれだけの引き出しがあるのだろうと、ただただ感動するばかりです。役者さんて本当にすごいなぁ。

受けた印象の違いが実際にどうだったかというのは、見た人によってそれぞれ違う印象になるからこそいくつもの可能性があるってことで、それって本当に素敵なことだなぁと思うのです。(演じる側の意図したものと違っちゃうこともあるだろうけど…)

 

ただ、その日を生きてる、その瞬間にしか味わえない特別なものを観させていただいているんだなと、感謝の気持ちでいっぱいです。

 

イーヴが「夜が明ける前の最初のひかり」と言うところで、照明の効果なんだろうけど、斜め横から黒目にリアルに光が宿っていくようにふぁーってきらめいて見えて、タイミングも全部計算されてるのだろうけど「そう見える」って本当にすごいことだと思うんですよね……

真っ赤な照明の中で血塗れになるところも、もはや血の匂いまでしてきそうで、ありありと情景が浮かぶし。

 

そういえば舞台正面の上手側にもクマのぬいぐるみが置いてあるんだけど、何か持ってるなぁと思ったら毛布を抱えたんですよね。

クロードの腕に抱かれる2時間は、イーヴにとって充電で、もう悪いことは何も起こらないって思えたっていう台詞がとても好きでグッとくるんですけど、イーヴにとってクロードは安心毛布みたいな感じだったのかなぁって。

もう何がどうなってもいいって思ってたイーヴが、クロードに出会って、彼に執着する(愛着を持つ)ことで安心感を得ていたのかな…

 

イーヴが、ヨレヨレのジャケットにジーンズ、薄汚れたスニーカーで部屋まで向かう時、その姿に毎回胸が締め付けられて泣いてしまう。彼がこうありたいと思い描く美しい自分の姿とこんなにも違う。寄る辺ない、なんて心細そうな背中だろうと。

 

クロードォオオオオ!!!!いますぐここにきてイーヴを抱きしめてあげてくれよぉ……つらい………つらすぎてほんとうにむり………でもそれがいい。こんなにも愛おしいんだ。切ないほどに。

 

ずっとこの舞台を観ていたい。

松田凌が演じるイーヴをずっと。

でもきっと今しかないこの瞬間だからこそ、なによりも尊くてまるで命が燃えるようなのだと思う。

 

f:id:papi139:20230708105143j:image

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆2023年7月6日 〜クロードと一緒に〜(マチソワ観劇)

今日は、ふぉろわさんがすごく素敵な写真をアップされていた馬車道ルートから行こうと決めていたので早めに出発。

大通りの角を曲がるとひっそりと公園が見えてくるのですが、実際に行ってみると何種類もの草花がゆったりと広がっていて、まるで外国のようでした。これはもうモントリオールに思いを馳せてしまう…

もしかしたらクロードとイーヴだって、なんでもない日に、天気が良いからって理由だけで外に出てふたりで並んで歩きながら、たまにクロードが花の名前を教えてあげたり、イーヴがこれは?これはなに?と聞いたり、そういうしあわ…ウゥッ…(妄想だけで泣けるオタク)

本当にめーーちゃくちゃ素敵なので、お時間あったらぜひに!

f:id:papi139:20230707144156j:image

 

そして今日の公演ですが、

個人的には今まで観てきた中でも、一番と言っていいくらい感情が揺さぶられました。

 
 

ものすごいものをみてしまった………

 

イーヴのクロードへの愛、愛おしさ、もう二度と会えない、哀しみ、なぜ、どうして、こんなにも愛しているのに、なんで彼は僕のとなりにいない、知ってる、分からない、僕が、、、
イーヴの感情が洪水のように流れ込んできて、イーヴもぐしゃぐしゃに泣いてて、言葉に詰まって言おうとしても言えない、もどかしい、どうしてだ!!そういう感情まで体感してしまったような。

シャワーを浴びたあと、もう一度クロードを見た時、いままでとは違った動作をしたんですよね。

しばらくそこを、横たわるクロードをじっと見つめて、その時にいったいどう思ってたのか分からないけど、ねぇこんなにも美しい人よ、愛してる、愛してるって全身で叫ぶような顔でまたボロボロと泣いて、膝から崩れ落ちてもう一度クロードにそっと寄り添って、頬を寄せてキスをしてた。床に涙のあとが残るくらいに。

やーーもう本当にこちらも嗚咽が漏れそうなのを必死に堪えないといけないくらいに、マスクの下から涙ボタボタ落ちてくるくらい泣いてしまってしばらく立ち上がれなかった……最後列でよかった……なんか外に出ても涙が止まらなくて、目が潰れそうに眩しい日差しの中、しばらくフラフラ歩いてた。無音だったな。

 

カフェに入って、パスタ大盛を頼んで、やっと落ち着いたときに書いたメモ。

松田凌というひとから発せられる?引き寄せられる?わかんないけど、もうこの舞台に、板の上に全部がある、ここでおきたことが全てなんだ!!っていうような圧倒的なものを見せつけられたというか、うまくいえない、まだ心臓がバクバクしてる。

凌さんは「言葉にすると陳腐になってしまう」とよく言うけど、ほんとそれな!!となってる。イーヴもどの言葉もこの感情を表現するには正しくないみたいなことを言ってた、ほんとうにもどかしいけど、なんとか表現したいけどむりだーーー生きててよかった、いまここにいてこの感覚を肌で感じられたこと、松田凌という役者に出会えたことの奇跡、ありがとうしかないはーーーーさいこうだーーーーー

 

読み返しても、ほんとそれなしかない(自分だけど)

 

今日ずっとイーヴポロポロ泣いてたな……

ガールフレンドの事を知った時も涙が溢れてて、でもクロードの日記に1ページじゃなく一行ごとに自分の名前があったって聞いた時も、ほらね、そうだよ、僕はちゃんと知ってたよみたいに微笑んで、また泣いてた。

あと「やっほー!僕だよ!」って駆け込んでくるやりとりをしてる時のイーヴがもうほんとうに幸せそうでそこでいつも泣いちゃう……やっほー!僕だよ!って駆け込んできたイーヴをクロードは両手を広げて出迎えて抱きしめてつむじにキスをしたりして、それで、ちょっとまって、先におしっこさせてよ僕漏れそうなんだ!とか言ってお風呂場のドアを開けたのかな‥‥んぁぁぁ

 

あと、今日は最後列だったのですぐ後ろが照明や音響さんのスペースで、そこに今回の台本がサラッと置いてあり、うぉおおみたいいいいとなりましたがちゃんと大人なので奥歯を噛み砕きながら横目で凝視しました。綺麗なうすみずいろの表紙でした。

どんな台本なんだろうな。特にト書きとかめちゃくちゃ気になりますよね…!

 

そんな感じでぐしゃぐしゃになったマチネでした。

これ夜もやるの??ほんとに??という気持ちのまま、あっという間にソワレ。

観る方も本当に体力精神力勝負なので、大盛パスタももちろん完食。何と勝負しているのか全くわからないけど、全部受け止めねば!ナウオアネバ!みたいな謎の使命感。

 

そうしてソワレが終わり、劇場出てきた後の第一声メモ。

もーーーーーーーーーーーーーなんなんだよぉおおおおおおおこんなものみせられてどうしろってんだよぉおおおおすごい、ほんとうに、どこまで生きるんだ彼を

生きてた、そこに彼が。すごい、ほんとにすごいや………はーーーーマチネとも全然ちがった全然だ

はーーーーーーーーーもーーーーーーーーー

もう謎の怒りさえ湧いてくる。すごすぎて。

 

ソワレでは、シャワーを浴びた後横たわる彼に寄り添って、ゆっくりと右腕をあげてスローモーションのように。そっと、そっと大切に彼の頬を撫でて、深いため息をひとつついて、やさしく目を閉じた。マチネはもっと顔を埋めて泣いているようだったと思う。

 

ソワレは微笑んでた。たまらなく愛おしいって顔をして。

 

「彼を……、彼を、愛しています」彼を、と2度繰り返した。「もう諦めるよ」と言った後も、机から離れる時もずっと目線はさっき目を閉じた彼を見ていた。
「だって……腐っちゃうって」と言う時も、ずっとずっと彼を見ていた。本当に、こころから愛おしそうに。部屋の外へ出て、廊下を歩いている時もずっとずっと横たわる彼から目線を離さなかったと思う。今までは前や上を見ていたけど、上手側までぐるりと回ってもなお、あんなにずっと彼から目を離さなかったことはなかった気がする。

彼がまだいたんだと思う、そこに。

 

いつもなら次の日に備えて帰りを急ぐのだけど、外に出たら目の前に広がる赤レンガ倉庫のオレンジ色の灯りがあまりに美しく、さっきまでいた舞台の世界の続きのようだった。なぜかどうにもそこから去りがたくて、まだまだ舞台の余韻に浸っていたくて、外のベンチでしばらくひとりでボーっとしてた。美しい夜、この夏の匂いと海から吹く風、忘れられないだろうなぁ。たくさん蚊に食われたけど、すごくいい時間だった。今日の気持ちを残しておきたくて何枚か写真を撮ったから、この日記にも。

 

今日はほんとうにすごかったな。

こんなに感情ってぐしゃぐしゃにされるものなの?

演劇って、舞台ってすごい。

現実ではないけれど、こんなにも熱を持って、愛おしいと感じる。

でも、本当にいま、この舞台に、この作品に出会えたことは自分にとって一生の宝物だと思う。

松田凌という俳優に出会えてから、なにものにも代えがたい、かけがえのないものをたくさんたくさんもらっている。

心から、ありがとうございます。

何も返せないのが残念でならないけれど、どうか最後まで彼を、イーヴを生き抜けますように。

そして、ごはんをたくさん食べて、健康第一で、ずっと笑っていてください。

 

f:id:papi139:20230707144602j:image