7/23 京都の大千秋楽からあっという間に月日が過ぎて、今夜ついに配信も終了してしまった……いやだよクロード星を渡らないで……
千秋楽が終わった後いつも通りこの日の日記を書こうと思ったのに、終幕後も帰り道でもなんだか全然言葉が出て来なくて、あと書いたらほんとにあの執務室の扉を閉めなければならないような気がして、ずっと書けなかった。
次の日仕事だから終わってすぐ帰らなきゃいけなくて、でもやっぱり観劇後は変わらずめちゃくちゃお腹が減ってたから京都駅で急いでお弁当買って新幹線飛び乗って、思い出し泣きしながらお弁当食べてた。食べるのも泣くのもやめられない今日観れて本当に良かったごはん美味しいよぉおって。
その日の自分のツイート見返すと、「はーーーーーーーー色んなもので満たされて最高の気分」「最後に拍手しすぎて指を負傷しました」くらいしか書いてない。
なんかねぇもう本当に、言葉にならないくらい素晴らしかったんだ……こころのずっと奥の方に刻まれてしまった。
千秋楽から数日後にアーカイブ配信が始まって、個人的にあの日の記憶というか、あの時見た景色とか熱とか空気が震える感覚とか何度も何度もこころの中でずーーっと反芻し続けていたから、配信を見たら何か変わってしまうかなとか、終わりを実感しちゃうのかなとか思ったりもしたんだけど、全然そんなことはなかった。
観ていた画角が違うせいもあって、ある意味別物のような、でも確かにあの日の舞台だと感じる不思議な感覚だった。
部屋を真っ暗にして1人で見た。もう舞台の幕は降りたはずなのに、わたしの中ではまだ終わってないような、なんか不思議な気持ちになってしまったなぁ。
でも、やっぱり思い起こされるのは自分が観た下手側からの情景で、その時の息遣いとか舞台から伝わってくる熱とか、今でもずっと覚えてる。
こんな事を言うのはとてもおこがましいけれど、以前凌さんが言っていた「肌で思い出す」っていう感覚のように、またこの夏を思い返した時にそう感じられたらいいなと思う。
「僕は、薬でラリッてた訳じゃない。もっと悪い。……僕は、愛していたんだ」って言った瞬間ボロボロって零れ落ちた涙の眩さ。
「僕はこの時人生で初めて、誰かと愛し合ったんだと思う」って言ってる時のイーヴの目に灯るあたたかい光。
それからそっと目を閉じて、両手を握って頬にあてて、クロードとの愛おしい時間を抱きしめるみたいにして、笑顔なのか泣き顔なのか、もうなんとも言えない表情。
イーヴの苦しみ、苛立ち、哀しみ、そしてどこまでも深くて溺れそうなクロードへの愛。
理解しなくていい、でも分かって欲しいって、刑事や速記者に対してだけじゃなく客席の一人一人に訴えかけているように感じて、一瞬たりとも目が離せなかった。
松田凌が演じるイーヴ、ほんとにほんとに愛おしいしもはや愛おしすぎて苦しい……
「彼は喉を押さえていられなかった。だって僕を抱きしめていたから」って台詞がとてもすきなんだけど、千秋楽の時のイーヴの声の揺らぎ、もうどうしようもなく溢れる想いが伝わってきて、あの日観た時もブワッって鳥肌が立って涙がダバダバ出てしまったんだけど、配信で何度見てもうわーーーって泣いてしまう。
その場ではもちろん声は出せないし、基本鼻水啜る音とかも立てたくないから毎回流れるまま放置してマスクの中が大洪水になるんだけど、配信の良いところは周りを気にせず大声で泣けるところだなって今更ながらに気付いた。
もうなんにも遠慮せず、今まで観てきた横浜から京都の分全部吐き出すくらいめちゃくちゃに泣いた。うわーーーって声上げて泣くなんて何年ぶり?ってくらい泣いた。
何でこんなにも泣きたくなるんだろう。分かんない。でも色んな感情が溢れてきてどうしようもなくなる。クロードに感情移入してるのか、イーヴお願いだから泣かないでよって思いながらめちゃくちゃに泣いてしまうんだよな…
今回お盆休みにかけて配信期間を設けてくださっていたのも本当にありがたかったな。
まだまだこの作品の世界を味わいたくて、何度も配信を観ながら少しずつ台詞を写経してたんだけど、耳で聞くのと文字で読むのとまた全然違うというか、言葉をひとつひとつなぞると、イーヴのこころに少しだけ寄り添えるような気がして(※もちろん個人でひっそり楽しむだけのためにやっております)
1回(48時間)じゃとても間に合わなかったから何度か購入したけど、それもついに今夜で本当にお別れになってしまった。
でも、いつかのTLで「この作品は、観た人が自分の言葉で語り継いでいく物語だと思う」という事を仰っている方がいて、ほんとうにそうだなぁって。わたしも円盤化して欲しいってずっと思ってたけど、形に残らないからこそ、その場で観て感じたことや受け取った想いをそれぞれ自分の中で大切に抱えていくって、すごく素敵じゃないですか。
2023年のパンフ(DVD)のインタビューで「イーヴのクロードへの愛をどのように感じますか」という質問に対しての凌さんの答えもそれに近しいような気がして。
「みなさまが今作を観ていただいて感じたもの、みなさまの心の中に残っていたものはきっと様々あると思うけれど、それがおそらく答えで。僕が今『クロードへの愛はこうだと思います』っていうものを言葉で提示してしまってそれが後々残っていくと思うと、僕がいままで演じてきたもの、演じてきた愛が少し腐ってしまうんじゃないかと思うので、そのまま腐らないままにみなさまの心の中に留めておいていただけたら」
というようなお話をされていて、こんな風に言ったら失礼になってしまうかもと心配されていたけど、むしろこれ以上ないほど最高のアンサーをありがとうございます……
2015年、初めてイーヴを演じた時のインタビューでは「自分はイーヴのように、まだそこまで人を愛したことが無いし言葉に出来ないほどの愛を知らない。やっぱり言葉に出来るし言葉が一番伝わると思う。でもそれを超えた愛こそがイーヴがイーヴたる所以だと思うから、最終的に感じたいものはイーヴのその部分」(意訳)
……この、言葉に出来ないような愛を知らなかった頃があって、時を経て何度も何度もクロードを深く想って、どこまでも愛して、そうして今は言葉にできないほどの愛を知ったのですか……
そうそう、アーカイブ配信の特典もめちゃくちゃ豪華でしたよね。
ハルニさんと井澤さんによるバックステージツアー、その時に改めて舞台周りの小道具の意味を解説してくださっていて、ポール・クローデルの本や燭台、たくさんの本が積まれているのはクロードの家(※警護官はほとんど触れない場所だったそう)そこにあのかわいいクマちゃんがふたり仲良く眠っているぬいぐるみが置いてあったのはやっぱり…うぅぅ切なさでちぎれそうだわ(京都ではスペースの関係か置いてなくてちょっと寂しかった)
黒い通路は水面を表現していたっていうのは全く気付かなかったので、なるほど…!となりました。
キャスト座談会もたっぷり30分くらいあって、貴重なお話をたくさん聞けて最高だったな。
特に印象的だったのは、8年前から同じ彼という役を演じているけれど、ずっと役の新鮮さを保ってるよねというハルニさんに対しての凌さんの答え。
「不思議なのはそれは役の魔力で、イヴっていう役のもっているものがある。僕が初めて演じさせていただいた時から、僕にとってのクロードは一切変わりない、何年経っても。彼(イーヴ)でもあるけど、クロードが僕をそう離さないようにしてくれている感じ」(意訳)
なんかもうそうかそうなのか…って、凌さんがそう思って演じていたからこそ、こんなにもイーヴに惹かれるのかもしれないなと思った。神尾さんも仰っていたけれど、そんな風に思える役に出会える事ってなかなかない事なんだろうし、やっぱり特別なものなんだろうな。
この作品と松田凌が出逢った運命に、このご縁を繋げて下さったすべての奇跡に感謝……
そして、クロードと一緒にがあまりに素晴らしすぎて、自分が感じたものを残しておきたくて書き始めたこの日記、改めて7/1から読み返してみたけど、この作品がどんなお話しなのかとか客観的に何がどう素晴らしいのかほとんど書いてなくて、我ながらびっくりした。
でも、あの時あの場所でしか感じられなかったものがあったことだけは分かる気がするから、自分がまたこの日記を読み返した時に、あの日の執務室へ行けたらいいなと思う。
万が一、検索などで物語の内容や時系列の詳細が知りたくてここに辿り着いてしまったとしたら誠に申し訳ないのですが、とにかく松田凌が演じるイーヴがたまらなく最っっっ高だったんだ!!!!!!!ってこと、そしてまたいつか上演することがあったら、絶対に絶対に観に行ってみてください!!!!
とにかくすごくてすごい舞台なんだきっと観たら分かる圧倒的な感情が押し寄せて来て溺れてしまう息が出来ないくらいの苦しみと愛おしさを全身で感じてもうどうしようもなくなるので!!!!!!とにかく!!劇場へ!!!!!
この作品はこれからもずっと続いていってほしいし、また上演されることがあったら絶対に見届けたいです。
そしてその時イーヴを演じるのが松田凌だったらと、どうかそうでありますようにと願わずにはいられないけれど、ご本人が最後だと思って演じていたのだから、またやって欲しいっていうのはその気持ちを尊重できていないというか勝手な押し付けになってしまうよな…と分かっていても、でも、もしかしたらこの先なにかのきっかけで奇跡がおきて、いつかまたって期待してしまうのを止められない…ゴエンア……
この作品が大好きだって思う気持ちはもちろん、劇場に行くまでのワクワク感とか、そこでしか感じられない熱気とか圧倒される感覚とか体の底から溢れる感情とか、そういうもの全部味わえる舞台ってほんとうに最高だな、素晴らしいなって毎回感謝しながら観ていたし、すごく特別な時間を過ごさせてもらえたなと思う。
秋にはモントリオールの写真集が発売されるので、またそこでこの作品の世界に触れられると思うと、まだだ!まだ終わらんよ…!という気持ちもありますが、
2023年7月【Being at home with Claude〜クロードと一緒に~】
この作品に出会えたこと、目の前でその熱を感じられたこと、震えるほどの感動を味わえたこと、その全部がかけがえのない宝物です。
こころから、ありがとうございました!!
どうか、またいつか、松田凌さんが演じるイーヴに出逢えますように。