本当に始まってしまうとあっという間で、残り4公演に。
でもここまで無事に公演が出来ていること、本当に奇跡の積み重ねですよね……毎日毎日、どうか今日も無事に幕が上がりますようにと祈ってる。
あーーーさびしい。永遠に観ていたい。終わっちゃいやだよ。
今日観ていて、これは本当になんとなくなんだけど、その日によって、強く押し出す感情みたいなものが変わっているような、今日は特に、怒り・苛立ち・ジレンマみたいな感情の圧をとても感じた気がした。
そう思うと、昨日のマチネでは、哀しみ・寂しさ・喪失感、ソワレは、愛情・愛おしさ・慈しみを感じる微笑みを湛えていた瞬間が多かった気がするし、それぞれに感じる印象の違いが強くあったなぁと思って。
刑事のテンションもその日の彼と呼応して細かく変わってる気がしていて、今日は2人とも脳の血管切れるのではないかと思うくらいバチバチだった。
5日の公演のあの、お互いに疲弊し切って大声も出せない、幾分投げやりな独り言のようなリアリティが敢えてのものだったのかも…??とか考えるのも楽しいです。
同じ台詞でも言い方によって全然違って聴こえるし、それぞれの間とか、一呼吸違うだけでも鳥肌がぶわって立ったり、目線ひとつにしても感情が違うものに見えたり。
日々演じていて、どれだけの引き出しがあるのだろうと、ただただ感動するばかりです。役者さんて本当にすごいなぁ。
受けた印象の違いが実際にどうだったかというのは、見た人によってそれぞれ違う印象になるからこそいくつもの可能性があるってことで、それって本当に素敵なことだなぁと思うのです。(演じる側の意図したものと違っちゃうこともあるだろうけど…)
ただ、その日を生きてる、その瞬間にしか味わえない特別なものを観させていただいているんだなと、感謝の気持ちでいっぱいです。
イーヴが「夜が明ける前の最初のひかり」と言うところで、照明の効果なんだろうけど、斜め横から黒目にリアルに光が宿っていくようにふぁーってきらめいて見えて、タイミングも全部計算されてるのだろうけど「そう見える」って本当にすごいことだと思うんですよね……
真っ赤な照明の中で血塗れになるところも、もはや血の匂いまでしてきそうで、ありありと情景が浮かぶし。
そういえば舞台正面の上手側にもクマのぬいぐるみが置いてあるんだけど、何か持ってるなぁと思ったら毛布を抱えたんですよね。
クロードの腕に抱かれる2時間は、イーヴにとって充電で、もう悪いことは何も起こらないって思えたっていう台詞がとても好きでグッとくるんですけど、イーヴにとってクロードは安心毛布みたいな感じだったのかなぁって。
もう何がどうなってもいいって思ってたイーヴが、クロードに出会って、彼に執着する(愛着を持つ)ことで安心感を得ていたのかな…
イーヴが、ヨレヨレのジャケットにジーンズ、薄汚れたスニーカーで部屋まで向かう時、その姿に毎回胸が締め付けられて泣いてしまう。彼がこうありたいと思い描く美しい自分の姿とこんなにも違う。寄る辺ない、なんて心細そうな背中だろうと。
クロードォオオオオ!!!!いますぐここにきてイーヴを抱きしめてあげてくれよぉ……つらい………つらすぎてほんとうにむり………でもそれがいい。こんなにも愛おしいんだ。切ないほどに。
ずっとこの舞台を観ていたい。
松田凌が演じるイーヴをずっと。
でもきっと今しかないこの瞬間だからこそ、なによりも尊くてまるで命が燃えるようなのだと思う。